2025年8月31日にBAYFM78で放送された、Mobile Tech Labの第22回のアーカイブです。
今回は石川温さんが書かれた記事を元に「ソニーがXperiaを続ける理由」をテーマに語っていただきました。
目次
オープニング
8月も終わりになります。が、北さん、何か夏の思い出はあります。か?
実は8月12日にちょっとライブに行ってまいりまして。ほんと久しぶりに行ったんですよね。Creepy Nutsのライブだったんすけど、Kアリーナに行ってまいりました。そしたらですね、同じ会場に弓月さんがいたらしいというのを…
Xで終わってから見て。「あれ?北さん!?」って。しかもすごい近いところに多分いるっていう画角の写真を見つけました。私もすごい久しぶりでしたけど。
すごい楽しかったですね。やっぱり混んでるからというか人が2万人ぐらい入ってる会場だったので、全然携帯繋がらなくて。あ、こういうことやなっていう。対策大変だと思ってました。
石川さんは今年の夏はいかがでしたか?
そのお二人のツイートを見てるっていう感じの夏でしたね。
ソニー「Xperia」
さて、この番組では最新のモバイルテクノロジーを学んでいくということで、私たちが持ち寄った今注目すべきモバイルテクノロジーをご紹介していきます。今日のテーマなんですが、8月14日のケータイ Watchの記事をご紹介します。
シェア低下に不具合発覚――それでもソニーが「Xperia」を続ける理由という石川さんの記事があります。今日はこちらを深掘りしていこうと思います。石川さん、よろしくお願いします。
ソニーは今、Xperiaっていうスマートフォンをやっています。今年はフラグシップモデルとしてXperia 1 VIIというものを出しました。
これね、カメラもαというソニーの人気のデジカメの技術。さらに音に関してはウォークマンの技術といったものを入れて、本当にソニーらしいスマートフォンに仕上がっていてね。かなり売れていた感じもあったんですけども、ユーザーの間からおやおやというような、SNSで声が上がっていて。
その後にソニーから、実は再起動するとか、電源が落ちるとか、そういった不具合がどうやら発生してるようですので回収しますというので、買ったユーザーから回収して、新しいものを送るといったような手続きが取られました。
一昔前、ソニーのXperiaって人気の機種で。ドコモがiPhoneを扱ってなかった頃にはツートップという言い方をしてSamsungのGalaxyとソニーのXperia両方を取り扱うみたいな。この2機種で他社のiPhoneと戦っていくんだというぐらいのメインの端末でしたけども、ドコモがiPhoneを扱うようになってジリジリとシェアを下げていったという状況です。
実際に国内の調査会社とかのシェアの調査を見ても今ソニーってもう名前が出てこないぐらい台数売れてなくて。「その他」というようなとこに入るぐらいの台数ぐらいしか売れてないという状況で。
一般的な感覚からすると、これってソニーってスマホ事業を続けるんだろうかみたいな、そんな心配も出てきたりもします。
っていう中で、先日ソニーの決算会見行われたんですけども、そこでも「ソニーのXperiaどうなるんですか?」みたいな質問が出て。
その時CFOは、「ソニーとしてはスマホだけではなく、通信として大切な事業なので、しっかりしていきます。」というような言い方をしていました。なので、今後も色々やっていくんだろうなという感じです。
ソニーって確かにXperiaが際立って見えますけども、通信使った製品とかサービスとかっていくつかあって。
例えば、ポータブルデータトランスミッターという、デジカメのαに繋いで5Gの回線で画像を送るデバイスを作ったり。
あともうすぐ発売になりますけども、AFEELAっていう電気自動車をホンダとやっていて、それも通信の技術を使ってます。
元々Xperiaを見ていた人が今車をやっていて、コネクテッドの車としても通信の技術使ってますし、クアルコムっていうチップセットを作ってる会社と組んで車のプラットホームもやってたりもします。
アメリカのスポーツイベントに関しては、ヘッドホン。実際に選手に指示を飛ばすようなものにも5Gの通信を使ってたりもするので、そういったいろんなサービス・製品を展開する上で通信という技術が分かってた方がいいので、Xperiaもやってますよ、というような言い方になってたりもします。
なので、ソニーとしてはしばらく今後もずっと継続してやっていくでしょうという感じになってます。
変わらずやはりソニーは非常に人気のブランドであり、今やっぱりデジタルカメラだとソニーのαシリーズ非常に人気なので、それと組み合わせてXperiaを持ちたいっていう人もいますよね。
iPhoneで今クリエイターって作品を作ったりもしますけども、iPhoneじゃ物足りないという人も当然いて。
じゃあそういった人向けにXperiaはどうですかと。Xperiaで色々と凝った映像が撮れるようになってくると今度はαにデビューしていくという感じになっていくので、αに繋げるためのスマートフォンとして売っていくという感じで一生懸命やってるという感じになってますね。
ソニーの立ち位置
ソニーだと音楽に関するものだったので、例えば、ラスベガスで行われたCESの発表でもスピーカーとかウォークマンの発表がメインだったのが、そのうちモバイルとかそういうところに移動して、今は車に移動しているわけで、ソニーもかなり幅広く通信を使った事業を展開してるんですよね。
一昔前ってソニーって電機メーカーだったじゃないですか。テレビもそうですし、ブラビアとかもそうですし。
ただ、今って映画は「鬼滅の刃」が当たり、「国宝」も実はソニーがやってるっていう。あと金融系ではソニー銀行とかあの辺が儲かってるって感じなので、ソニー全体で見ると家電とかっていうのはもう全然儲かってない事業ですし。
儲かってなくてもとりあえずソニーの基礎だったりもするので、じゃあ続けていくかという感じだったりもするので、Xperiaがどうこうになったからといってソニー全体がガタつくということは絶対ないのかなと。
何となく今のソニーはクリエイティブな事業を支えるとか、クリエイターとか現場の人達、例えば映画を撮影する現場のためのシステムを作るとか、そういうところに入り込んでいるような印象があります。
だからYouTuberのような動画を作る人からすると、まぁみんなソニーの製品はいっぱい持ってるというか。αの新製品出たらそれ買ったり使ったりもするので、あの辺が非常にうまくいっている。クリエイター向けのソニーといった感じには十分ポジションとしては確固たるものを持ってるのかなっていう感じですね。
北さんは、今のソニーにどんな印象を持っていますか?
元々ゲームとかずっとやっていたので、ソニーと言えばエンターテインメント。ゲームだったり映像だったりっていうところが強いなってイメージがあったので、今どちらかというと産業で裏方側に回りつつあるのかなっていう。
今まで表舞台の華やかだったのが、とはいえ実は裏方でもすごい活躍していて、僕らの目からは少し見えなくなってきてるかもしれないけど社会を支えてるというのが、昔からソニーファンとしては嬉しいです。
ソニーがスマホを作る理由
でもやはり通信の技術があるからこそそうやって幅広く展開できるということなんですよね。
そうですね。やはり通信に首を突っ込んでると非常にいいというか。例えば、車の世界でいうとクアルコムっていう会社とも仲良くして最新の技術の情報を得られるし。
あとやっぱり一番大きいのはスマートフォンやってると、AndroidをやってることでGoogleが何を考えてるのかということが手に取るように分かると。結果としてAndroidの技術をXRに応用するとか。車もそうですし。
スマートフォンの技術を持ってるといろんなところに展開できるというところはソニーも考えてますし、いろんなメーカーが考えているっていうところがあると思いますね。
そうすると報道で売れてないとかそういったところだけを見て判断できるものではないということですよね。
そうですね。これだけどんどんいろんなものが複雑化してる中で、市場を学ぶための事業としての位置付けというのもあったりするのかなという感じですね。
でもGoogleと仲良くしておくことでOSのことが理解できるっていうのはあんまりない発想でした。
Googleだけで決してああいったOSって作ってるものではなくて。いろんなメーカーからの意見を吸い上げてAndroidが進化したりもするので、その辺の協力関係というのは非常に重要なのかなと。
例えば、Samsungって今はGalaxyで世界No.1のシェアをとっていて、彼らも家電メーカーとしての位置付けもありますけども、スマートフォンをやってることによってGoogleやクアルコムとのパートナーが強化されてるというところもあります。
あと中国メーカーっていま日本の市場を一生懸命頑張ってますけども、彼らも日本でスマートフォンの台数いっぱい売れるかって言ったらそうでもなくて。
だけど、なんで彼らが一生懸命日本市場で中国メーカーがスマホをやってるかというと、日本の市場でそこそこ売れる・認知があるという評価が付くと、結果として世界で売れていく。このメーカーは日本で評価されてるメーカーだから買っても大丈夫なんだというのが世界のあらゆる市場で浸透していくという状況にもあるので。
メーカーからすると、どこかで損はするけどもどこで得を取るかということを一生懸命考えながらビジネスをやってるという感じになってますね。
昔はジャパニーズブランドの信頼性っていうところだったのが、今は消費者の信頼性っていうところにも繋がってるわけですね。
日本のユーザーは目が肥えてたりもするので、やはりそこで選ばれることが非常に大きいのかなと。
昔から日本って、例えば防水機能を求められてきましたけど、本当に昔って日本のメーカーぐらいしか防水機能ってやってなかったんですよ。
今はもうAppleをはじめどのメーカーでもやってるっていうのも、日本のユーザーが高いクオリティーを求めているため世界中のスマホメーカーが防水をやらざるを得ない。結果として防水で強いメーカーがどんどん増えていくという感じになってると思います。
日本人、結構平気でお風呂に持ち込んだりとかしますからね。そのまま長時間使ったりするのもありますし。
あと家電は濡らしちゃいけないっていう意識が強いので、防水だったらっていう売り方がしやすかったのかもしれませんね。
防水を求めるのは、日本人がお風呂に入るから。一方で、海外はシャワーだから防水なんかいらないじゃんっていう発想だったんです、ずっと。
だけど、やはり日本で売らなきゃいけないということもあって、Appleとか一生懸命やってるという状況だったりもするので、結果として日本で求めているクオリティが世界で売れていくという感じになってると思いますね。
Xperia PRO
北さんはXperia使ったことありますか?
一個ブッこみたいなネタがありまして。XperiaのPROっていう、すごいマニアックな端末がありまして。これがHDMIで入力できて、5Gのモジュールが積まれてるので、HDMIで4K入力して、5Gでその映像をストリーミングで流せるっていう唯一無二のスマホなんです。
未だに同じことができるケータイ出てなくて、二十数万円して高いなと思ったんですけど、どうしても欲しいと思って買って。そんなに使ってないですけど、 でもやっぱり買った時すごく嬉しかったですね。
それもやっぱりクリエイターとか、発表する人向けのことを考えられて作られてるイメージありますね。
多分先程おっしゃられた、映像を飛ばすトランスミッターとか、それを5Gで飛ばすっていうのはXperia PROをおそらく土台にして産業用の機械として作ったものなので、そういう意味ではやっぱりスマホをやってる価値ってのがそこにあるのかなというのを、お話を聞いてて思いました。
それを購入されたのはどのぐらい前なんですか?
2021年か2022年か。それぐらいの発売だったと思います。
5Gが始まったちょっと後くらいですよね。
2023年ぐらいに中古で買って、でもその時でも17〜18万円して。元値が多分30万円弱ぐらいだったんで。でも当時としてもだいぶ飛ばしてる機器だったと思います。
ソニーは「新しい機種が出たら使わなくても買う!」くらいのファンの人がすごく多い印象なので、あんまり他にはないけれども、特殊なXperiaとかが出るとそこにも連携して使いたいっていう人は増えそうな気がしますね。
Xperiaファンって根強い人がいて。だから新製品出たら買い換える、何があっても買い換える、って人はそこそこいたので、逆にXperiaってちょっと保守的なところもあるというか、あんまり代わり映えがしない進化をしてきたっていうのも あったりもしたんですよね。
それでどんシェアが下がってしまった、っていうところでもあったりもするのかなっていう気はしますね。
私、数年前の自分調べなのではっきりしたソースはないんですが、台湾に行った時にXperia使ってる人がすごく多かったんですよ。「台湾ってXperia多いの?」って友達に聞いたら「みんな結構Xperia使ってるよ」って言って。「何で?」って聞いたら「日本のソニーだから」って言われたんですよね。
それで何かちょっと「ウッ」って言葉に詰まってしまうみたいなところがあって。「日本人は何で使わないの?」って言われたりしたんですけど、ソニー愛みたいなものを他の国の人が持っていてくれると嬉しいですし、そこにジャパンブランドっていうのもあると何かちょっとね、使ってみたいなっていう気持ちになりますね。
復活してほしいなというか、もっと尖った、iPhoneユーザーもちょっと欲しくなるようなXperiaを作って欲しいなと思いますね。
ラジオネーム「若頭さん」からのお便り
さて、ここでひとつお便りをご紹介させていただきます。ラジオネーム若頭さん。
(山根博士ゲスト回での)Vertuの件ですけれども、初めて聞いたメーカーで調べてみたのですが、目が飛び出ました。こんなスマートフォンがあったんですね。iPhoneの最新機種が20万円を超えることに驚いていたのに、さらに飛び抜けた価格帯のものがあるとは。プレミアムなものはどの分野にもあるんですね。パーソナリティーの皆さんが今まで購入した中で一番高い端末って何だったのか気になります。
ということなんですが、石川さんは何でしたか?
基本的に毎年毎年iPhoneの高いやつは買っていて、あと最近だとGalaxy Z Fold7。折りたたみのやつは買って、あれも26万円くらいしたので。20万円後半超えというのが当たり前になってきている感じがしますね。
北さんは?
私はiPhone 16 Pro Maxを今使っていて、2年に一回iPhoneを買い替えてるので、毎回更新されていくというか。今は多分Pro Maxの1TBモデルかな。多分30万円弱、27〜28万円ぐらいしたかなと思います。
毎日持ってると忘れますけど、高いですよね。
壊したらだいぶショックですよね。
新しいのが出てもどうしても業界の人たちはみんな一番ハイスペックなものを買いがちなので、常に毎年最高価格が更新されているという状態かもしれません。
エンディング
Mobile Tech Lab、そろそろお別れの時間となりました。北さん、石川さん、今日の放送いかがでしたか?
そうですね、僕も1台Xperia買って使ってるのもあるんですけど、やっぱりこのまま無くなっていくの寂しいなと思うので、ぜひ今後も続けてもらって、どこかで大復活してもらいたいなっていうのは今日お話してて思いました。
石川さん、いかがでしたか?
今のスマホってカメラの画質で競ってるので、デジカメでαを持ってるメーカーとして、カメラで勝てるようなXperiaをまた作って欲しいなと思いますね。
そうですね、本当にこれからのXperiaに期待ですね。