2025年4月6日、BAYFM78でラジオ番組「Mobile Tech Lab」がスタートしました。
初回放送は、弓月ひろみ・石川温・北真也の3名の自己紹介と、これからどんな番組にしていきたいかを語っています。
目次
番組が始まるきっかけ
この番組の始まるきっかけっていうのは?
私、モバイル業界で20年ぐらいSEをやってた人間なんですけどその間、石川さん・弓月さんの記事を読んだりポッドキャストを視聴してました。個人的にもう何年もお声は聴いていたので、モバイル系のラジオをやってみたいなって思ったときにぜひこの3人でやりたいなっていうのでお声がけをさせていただきました。
言いたいことがいっぱいあったりするんですか?私たち二人と会うのは全然会えるじゃないですか。っていう中でなぜにラジオ番組をやりたいと思ったんですか?
それはですね、すごいミーハーなことを言っちゃうとラジオをやってみたかったっていう。YouTube・ポッドキャスト・ラジオNIKKEIを聴いていて、ラジオ的なコンテンツでこの3人でやりたいっていう思いがありました。
ラジオってやりたいと思えばやれるもんなんですか?大人の力が働くとやれるもんなんですか?
会社を作ってまだ日が浅いんですけど、背伸びをして頑張ってやっております。でも本当に業界の大先輩とお話しできるの嬉しいですよ。
この業界って動きが早いので、だから毎週のようにネタがあるわけですよ。ニュースを見たとしても「これってどういうことなんだろう?」ってよくわからないことがいっぱいあるので、それぞれの視点でいろいろ、ああだこうだ語れるとわかりやすく皆さんに伝えられるといい番組になるのかなと思います。
自己紹介
まずは月並みですが、自己紹介からしていこうと思います。
私は弓月ひろみと言いまして、テックジャーナリストなんですが、基本はYouTubeとか動画の撮影・収録をやったり、もともとはしゃべる仕事で、ラジオもずっとやっていたので、今日こうやって番組ご一緒させていただいてすごく嬉しいなと思っています。
ガジェットが好きというよりは、テクノロジーを使って皆さんがどういう幸せな生活を手に入れられるのかなとか、人間に寄り添うテクノロジーって何だろうみたいなところを考えて取材したりするのが好きです。
テクノロジーは人に寄り添いますか?
テクノロジーが人に寄り添うものであると信じたいですね。
最近寄り添ったテクノロジーって何かありますかね?
AIとかも諸刃の剣だとは思うんですけど、それをどうやっていい方向に作っていくかというか。使っていくかっていうのは、結構人間の創意が関係してくるのかなと思ってるので、テクノロジーって攻撃になるものもあるし良いものも悪いものもあると思うんですけど、できればみんながいいものに使いたいって思えるように
言葉を発していきたいなと思います。
まさにね、2025年はモバイルとAI。この掛け合わせたテクノロジーでめっちゃ人に優しくなるので、その辺の話はしたいです。
では、石川さんの自己紹介もお願いします。
元々1998年頃にトレンド系の雑誌の編集記者やってたんですけど、「記者会見があるから石川行かないか?」って誘われて行ったのがドコモのiモードだったんですよ。
iモードって当時はそんなに注目されてなかったですけど、その後もあれよあれよと広まっていって、銀行の機能が入ったりとか、ゲームができて、インターネットができて。
人々の生活を変えていくほどの進化にハマっていって、どんどん取材していきました。
当時はトレンド雑誌の編集者でしたけども、会社を辞めて独立して。そこからライターとして25年ぐらい、今も楽しく取材しているという感じです。
そして最後に北さんお願いします。
最初に申し上げた通り、お二人の大ファンで、ずっと記事も読ませていただいてますし、音声
コンテンツも聞かせていただいてる中で、社会人経験でいうと20年ぐらいモバイルの裏側のシステムを作ってきた人間なんですね。
で、お二人が書かれてる記事も読みながらとか、まさに今お話ししてたiモードとかもそうなんですけど、ああいう携帯の「どうやって電話だけじゃなくてパケット通信を使って便利な世の中を作るか」みたいなことをずっとやり続けてきた人間で。
まだLTEがない時代に、これからLTEを作っていこうっていうことが、新入社員の頃からやっている仕事でした。
そういう意味では今お話を聞いていてどんどん携帯電話で世の中良くなっていくっていうのを本当に若い頃の原体験として持っていて、これからもどんどん続いていってほしいなっていう思いがあります。
モバイルの技術を社会に実装したい
今回、自分で会社を作ったっていうのも、モバイルの技術を社会に実装したいっていう野望があるんですね。
せっかく自分が今まで開発してきた技術で全く使われなかったものっていっぱいあるんですよ。
例えばなんですか?
プッシュ・トゥ・トークとか。
おお!プッシュ・トゥ・トーク!
解説すると、当時はそんなに音声定額ってなくて、そんな中で編み出したのがプッシュ・トゥ・トークって言って、携帯電話についている専用ボタンを押すとその時だけ相手にしゃべれるっていうトランシーバー的なもので。アメリカが中心で広まってたんですけど、日本では流行らなかったですよね。
当時何があったかっていうと、モバイルの裏側をIP化していきましょうっていうことがあって。
そのIP化の前は何だったんですか?
ATMって、多分世の中の方は絶対知らない技術だと思うんですけど。
要するにIPってパケットが行ったり来たりっていう形で、ちっちゃい小包になって送られてくるんですけど、ATMは固定長って言って、決まったトラックの長さでしかパケットを送れない代わりに安定して通信ができるっていうのがATM通信っていうもので。
パケット通信は、早い時もあれば遅い時もあるという、不安定だけど安くできますっていうのがあって、それをまずIP化して行こうから入って。
その次に今まで交換機と言って、線を繋ぎ替えるみたいなことをやってるところから、だんだん機械的な自動化がされていきました。
そのIP化の時に合わせて全部、パソコンと同じ技術を使った一般的なインテルアーキテクチャに置き換えていったんです。
だからパソコンと同じくOSの上でソフトウェアが動いてる汎用的なものにどんどんサービスを乗せていきましょうっていう。専用の機械から汎用の機械に置き換えていきましょうっていうのがあって。
プッシュ・トゥ・トークはその流れで生まれたサービスなんですよ。
プッシュ・トゥ・トークのような、「今までの電話とかパケット通信じゃないものを作っていきましょう」みたいな時代から入っていって、でも全然使われなかった技術が何個もあって。
でもそれって多分携帯電話の会社だけが頑張るんじゃなくて、周りの人達がその技術を使ってもっと世の中に出していくみたいな、裾野が広がっていったら使われたんじゃなかろうかと思ってるんです。
例えば3Gが始まる前とかも「3Gでこんなことできますよ!テレビ電話できますよ!こんな夢の世界がありますよ!」って言ったけど、まあ流行らないわけですよ。
4Gの時はスマートフォンが出たことによって、「4Gとスマートフォンを組み合わせると速くなりますよね」っていう感じだったんですけど。
で、5Gが始まる直前。5Gでは超高速・超低遅延・多接続みたいなのでキャリアが盛り上げたし自分も本を書いたんですけど、まぁ盛り上がってないっていう。
コロナもあって人が外に出なかったっていうのもあるんですけど、携帯電話会社ってこんな技術ができましたよってアピールしてもなかなか一般のユーザーに浸透しないことがあるので、2030年の手前ぐらいに6Gが始まるんですけど、6Gのタイミングでもそういうことをやるんでしょうね。
ネットワークスライシング
私、直近までとあるモバイル系の会社にいたんですけど、そこでネットワークスライシングの技術を
開発したんです。
ネットワークの中、通信の中を輪切りにしていく。輪切りにすることによって、「一番上のネットワークの部分は動画を配信しましょう」とか、「次の輪切りの部分は反応を良くしましょう」とか、用途に合わせてその輪切りを使っていこう的な技術ですよね。
それを開発したんですけど、まあ使われない。この会社を作ったのは、そういう意味では自分が作った技術を世の中に出したいみたいなのもあるので。
なかなかいい技術でも、どんなに各社が頑張っても、タイミングが早すぎたりすると広がらないものですよね。
私は認知度を上げていかないといけないんで、そういう意味でこの番組の裏の目的は、認知度上げていって「やる人」を増やしたいなっていう。うちの会社がどうこうじゃなくて、そういうのを一緒にやってくれる人たちがこのラジオ聴いた人がやってくれたらいいなっていう思いで始めました。
通信で人と繋がる重要性
スマートフォンなり通信なりって、使い方が分からないとただの箱だったりもしますし、使い方が分かることによって一気に便利になったり、生活も変わっていくってこともあるじゃないですか。
コロナ禍で色々大変でしたけども、コロナ禍を経験したことによって人のコミュニケーションが変わってきたっていうのもあって、ビデオ会議が当たり前になったっていうのは一気にそこでね、テクノロジーのおかげで助かったというところもあったりもしますし。
あと、この業界で取材していて思うのは、通信で人と繋がることがすごい重要じゃないですか。
例えばスマホがなんで日本でこんなに普及したかっていうと、LINEが出始めてきてLINEで繋がりたい、LINEで仲間外れになりたくないっていうのがあって。携帯で良かったんだけど、スマホデビューしようかなと思う人がいっぱいいたっていうのがあったりもするので。
いざっていう時に本当に何かあった時にも大切な人と繋がれるっていうのは、スマートフォンと通信ってテクノロジーがあるからこそだったりもしますからね。
今はネットワークが繋がらないってなると、何もできなくなるっていうことをみなさん経験されてると思いますけど、じゃあその電波がどうやってここまで届いてるのかとか、なぜ繋がらなくなるのかとか、「ものすごい人がいっぱいだとなんで繋がらないんですか?」というところを結構みなさん知らないものですしね。
当たり前のように皆さんスマホを使ってますけど、各携帯電話会社の人達がものすごい汗水たらしてネットワークを作り、管理をし、時にはビルの上にアンテナ立てさせてくださいとお願いしたりとか。
努力の結晶で、当たり前のようにみなさんが使えてるってことだったりするので、そこをちょこっとわかっていただけるといいかなって思いますよね。
北真也のこれまでのキャリア
実はここまで何にも言ってなかったんですけど、私はもともとバックグラウンドがネットワークの運用監視をやるシステムを開発してきていて。あとはオートメーションって言って、ネットワークが壊れたら自動で直すみたいなことをやってきました。
まさに先ほど石川さんに言っていただいた、品質をどうやって上げていくかとか、ユーザーにネットワークが繋がりにくいと思わせないようにするためのシステムをずっと開発してきてるので、機会があったらその辺もぜひお話ししたいです。
通信のことって一般的にはブラックボックス的な、何がどうなってるのかわからないっていうところはあると思うので、リスナーの皆さんも知りたいポイントかもしれませんね。
ネットワーク障害のニュースが流れた時に、「あれはですね」とかって石川さんと語り合いたいです。
いろいろな場所に各携帯電話会社のネットワークセンターがあって、そこには24時間365日人がいてネットワーク状況を見てると思いますし、メンテナンス工事でちょっと失敗したら一気に止まっちゃって大変なことになるみたいな。2,3日止まっちゃうってこともあったりもするので、そうならないように皆さん頑張ってます。そこにAIの技術を投入して自動で直るようにするということも進めているところなので。
これだけスマホが普及して、しかも単にLINEでメッセージをやりとりするだけじゃなくて、例えばタクシーの中の決済端末にも通信入ってるし、お金をおろす時にも通信入ってるし、コンサートのチケットを切るときにも通信端末でやんなきゃいけないしってことで、ありとあらゆるところに通信が入っているので、その辺じゃあなんでこんなにちゃんと動いているのかっていうのは北さんに色々と解説していただきたいですね。
イベント会場の話とか、花火大会の話とかしたいです。どうやってあそこでネットワークを落とさないか
みたいなのが叡智の結晶が詰まってるんで。
人がたくさんいるところの電波っていうのは大変ですよね。
最新のテクノロジーかと思いきや、超アナログですよね。職人技で。電波って見えないので、どう飛ばすかとか。
秘伝のタレがあるんですよ。
裏側には常に人がいるんですよね。
今後の企画のネタ出し会議
この番組ではモバイルの情報だったりとか、テクノロジーの情報みたいなところもお話ししていきたいと思うんですけども、今回1回目なので、ちょっと企画会議的に何をやっていこうかというお話もしたいなと思いますが、石川さん、何かアイデアありますか?
普段自分って専門的なことばかり書いてるので、もっと分かりやすく人に伝えられるような番組になるといいかなと思ってます。
技術的に難しいことをいかに噛み砕いていくか、というところを徹する回とか作ってみたいなと思いますね。
まさにさっきのネットワークスライシングっていうのは、輪切りって言われたら「なるほどスライスね」ってなりますけど、聞いただけではちょっとパッとイメージがなかなか思い浮かばないですもんね。用語解説系ですね。
北さん、何かありますか?
僕は世の中にあまり日の目を見てない技術がいっぱいあるので、そういうものを紹介していって、それが社会に出ていったらどんな風に社会変わっていくのかっていうのを中心にお話ししたいなと思っています。
1個例を挙げると、ネットワークスライシングのそのスライスに属してる人だけそこに通信として繋ぎに行くことができるって技術なんですよ。
例えば、あるエリア、市区町村よりももっと小さい「基地局のこの基地局配下だけ」でしか自分の社内のシステムにアクセスできないみたいな、そういった秘匿性の高い通信をスポットで登場させるみたいなことができたりするんですよ。
そういうものを使っていくと、例えば電子カルテとかってどこからでもつなげちゃいけないとかって法律の縛りがあったりするんですけど、例えば訪問看護で行った先でその電子カルテをその一瞬だけ使えるようにしてあげて、訪問看護が終わったら電子カルテが繋がらなくなるようにするとか。
そういった社会で変革を起こしうる技術なんですけど、あまり知られていないみたいな。そういうものを紹介していきながら、「面白いからこれを使ってビジネスやってみよう」と想起していくみたいなことはやりたいなと思ってます。
技術からの新しいビジネスっていう道もあるんですね。
新しい技術があっても、本当に使ったら便利だろうと思う人には一切届かなかったりもしますからね。そこに気づいてもらうということが重要ですよね。
私は石川さんに取材の裏側とかも聞きたいですね。私は記者会見などで石川さんをお見かけするわけなんですけど、質疑応答の質問も職人芸ですよね。
質問はね、いかにその社長に面白い回答をしてもらうかっていうところにこだわっていて。バレーボール選手的にトスを上げるっていう。いかに社長にバシッと打ってもらうかってとこだけをこだわってやってたりするのでね。
石川さんが聞いた瞬間に、社長の方がクスッと笑っているのを見ると、発表会の雰囲気も和やかになりますし、次の人も質問をしやすくなるっていうのが結構あって、それは本当に学ばせていただいてます。
記者会見の流儀みたいなのもありますからね。その辺も解説できたらなと思います。
あとは今後の未来はどうなっていくのかとか、ちょっと夢のあるお話も何かしたいですね。
先ほどのプッシュ・トゥ・トークじゃないですけど、なぜ失敗したのか、こうじゃなくてこうやればよかったんじゃないかなっていう、そういったアドバイスをできたらいいかなと思いますね。
早すぎた技術とか。先ほどテレビ電話みたいな話があって、今でこそ当たり前になってるんですけど、2000年代の前半ぐらいに携帯キャリアが出してるテレビ電話サービスがあったんですよ。
私、声が出なくなった時に連絡するのに使ったことがあります。画質がめちゃくちゃ荒くて、通信遅くて、しかも値段もすごい高かったです。
エンディング
Mobile Tech Lab。そろそろお別れの時間となりました。北さん石川さん、今日の放送いかがでしたか?
初めてのラジオ収録だったんですけど、こんな盛り上がれると思ってなかったのでこれからすごい盛り上がりながらマニアックな話、昔話もやりながら、いろんな人に興味を持ってもらえるような、熱意を高めで石川さんと突っ走りたいと思います。
北さんとは今日リアルでは初めて会ったんですけど、色々と掘り甲斐のあるキャラだと思っているので、これからも色々とお話を聞ければなと思ってます。