2025年4月13日放送の「Mobile Tech Lab」第2回放送のアーカイブです。
第2回放送は、MWCで気になった「スマホ×Geminiの便利機能」や今後のトレンドになりそうな「薄型スマホ」「三つ折りスマホ」などについて話しました。
目次
オープニングトーク
お二人とも、今日もよろしくお願いします。4月を迎え、新生活シーズンではありますが、今日は春商戦として発表されているスマートフォンの話などをしていこうと思います。石川さん、いろいろありますよね。
そうですね。携帯業界は年に2回、盛り上がるタイミングがあります。ひとつは9月のiPhone発表のタイミング。そしてもうひとつが、2月から4月にかけての“春商戦”と言われる時期です。
これは、新生活で「そろそろスマホを買い替えようかな」「家族みんなで機種変更しようかな」という動きが生まれるため、携帯ショップや家電量販店が賑わいます。今年もかなり春商戦が盛り上がっているので、そのあたりの話ができたらいいなと思いますね。
公衆電話は無くせない
ラジオ番組内で流した楽曲「德永英明 – レイニーブルー」に関連して公衆電話の話題に。
電話ボックスというキーワードが歌詞の中に入ってるんですね。
我々世代だと公衆電話に10円玉を握りしめて行ってお金がなくなるまで恋人と電話をするみたいな、甘酸っぱい思い出もありますよね。
最近ビルの一角でやたらと空間が空いていて、「ここに何があったのかな」と思い返すと、そういえばここにいっぱい公衆電話があったなみたいな、そういうエリアがあったりしますよね。
なかなかね、全部なくすわけにはいかなくなっていて。災害の時には必要だろうっていうことで残しているわけですけど、とはいえほぼ使われてないので悩ましい存在になってますよね。
電話ボックスは現在、フリーWi-Fiが使えるようなスポットになったり、一応利活用という意味では電話ボックスは使われてるんですけど、旧公衆電話ゾーンみたいなところは結構何も使い道がない状況になってしまってますね。
先日、台湾の友達に「日本の新幹線はデッキと呼ばれるところではどうして電話をしていいんですか?」って聞かれたんですよ。その時にちょっといろいろ理由を考えていて、デッキには公衆電話があったからかな?ってちょっと思ったりしたんですよね。
確かに、なぜか許されてますよね。
それも昔の名残なのかななんてちょっと思ったりしました。
春商戦・MWC
さて、今日はモバイルのお話ということで、先ほど石川さんがおっしゃっていた「春商戦のスマホ」の件なんですけど、そもそも1月から4月にかけて新機種がたくさん発表されるのは、世界的にもだいたい同じ時期なんですよね。
そうですね。春に出すのはもちろんですし、あとAppleが9月に発表するので、そこにぶつける
感じで8月にどんどんどんどん出すって決まってます。
ちなみにモバイル好きな方はMWCというキーワードをもしかしたら聞いたことがあるかもしれません
けれども、これはモバイルワールドコングレスですよね。
昔はその略称だったんですけど、今はもうMWCという言い方をしています。
これは毎年スペインのバルセロナで開催されるイベントで、世界中の携帯電話会社の関係者やメーカー、メディアなどが集まるようなイベントとなっています。
今年も3月の頭に開催されましたが、なぜこの時期にバルセロナでやってるかと言いますと、単に北欧系のメーカーの人が2月〜3月は寒いから暖かいところに行きたいよね、っていうのでバルセロナになっているということです。
北さんもチェックされてますよね?
MWCは現地に行きたいんですけど、ホテル代とか渡航代がむちゃくちゃ高いんですよ。だからなかなかMWCに現地に行くってのは難しいんですけど、絶対ニュースはチェックするようにしてます。
あとは端末もそうなんですけど、私はネットワークを作る側の人間なので、MWCにネットワークを表彰する
アワードみたいなのがあって、それを毎年チェックするのが慣例になってます。
石川さんは毎年必ず取材に行かれてますよね?
そうですね。モバイル業界の1年を占うという意味では重要なイベントになっているので、15年以上通っていいます。
この15年で大きくどんな流れが変わってきましたか?
携帯電話会社・キャリアが集まっていて、彼らってユーザーをいっぱい抱えてるところなので、「ユーザー接点いっぱい持ってますよ」「ネットワーク提供してますよ」という立場なんですけど、一方でおいしいところはみんなAppleとGoogleに持っていかれてるなっていうのを非常に感じてる人たちなんですよ。
じゃあ新しい技術、たとえば5Gでどう携帯電話会社が儲けるのかというところをここ15年ぐらいずっと考えてるというところだと思います。
Appleが9月に発表があってそれを受けてMWCまでの間に、じゃあどういう戦略で行こうかみたいなことも考えているということですよね。
じゃあ携帯電話会社がどう儲けるか。昔はそれこそ日本のiモードとかっていうのも成功事例で、携帯電話
会社が作ったサービスを提供することで、そこにコンテンツが載り、アプリが載り、いろんなサービスが乗って、それによってdocomoがチャリンチャリン儲かったというような歴史がありました。
あれをいろんな世界中の携帯電話会社がやりたいと思ってるので、じゃあこれが5Gが搭載された時に、どういったことをすれば成功できるんだというのを考えるイベントになってますね。
MWCの現地に集う理由
ビジネスの形もすごくこの15年で変わったと思いますけれども、ニュースのリリースなどは日本国内にも届きますし、日本では発表会もあると思うんですけど、MWCの現地に皆さんが集う理由っていうのはどんなものなんでしょうね?
ニュースが出たり新製品の発表はされてるんですけど、やっぱり人と会ってゴニョゴニョ話すっていうのが重要ですね。
みんな遠くに出かけてるっていう開放感もあっていろんな話ができますし、ビジネスを進めるときに「じゃこうしよう、ああしよう」って話し合ったものをみんなが持って帰って、それを元に1年間進めていくという感じになるので、集まる理由・出張するための理由が必要っていうことですよね。
フェイストゥフェイスでお話しした方がうっかり情報を聞けたりするかもしれないですよね。
僕はMWCには行ったことはないんですけど、他のモバイル系のイベントとか行った時に、コンフィデンシャルな情報ももらえるし、そのイベントで仲良くなっていくとホームページから問い合わせるよりも、現地に行って話をした方がビジネスとしては成立しやすくなるっていう経験はあります。
そのイベントの後に「あの時はありがとうございました」っていうところから商談が始まって、そこと取引が始まるってことは過去にもあったので、やっぱりリアルで会うっていうのはすごい大事かなと思います。
MWCで見つけた気になったもの
石川さんは今年MWCで見つけた「これが気になる!」というもの、どんなものがありますか?
やっぱりAIとスマホの組み合わせが、また1段進化してるかなと思います。今までは、スマホでAIって言ったら大抵は「検索」でしたけど、今年色々なデモがあった中でびっくりしたのが、スマホのカメラでいろんなものを見せながらで、GoogleのGeminiが答えをだしてくれるというもの。
例えば白い壺が目の前にあるんですけど、それをスマホのカメラで見せると「この壺を何色に塗ったらモダンに仕上がりますか」っていうのを問い合わせるんですよ。で、そこの横には6色のカラーパターンがあって、「この中から選びたいんだけど」っていう風にカメラで見せると、「この中にあるブルーとグリーンを使うといい感じでモダンに仕上がるので、塗ってみてください」って教えてくれたりするんですよ。
っていうのをリアルタイムに会話が成立して、Geminiが教えてくれるというのが面白かったです。
あとパソコンのモニター上に美術品が写っていたとして、それをスマホのカメラで撮るとこれがどこの美術館にある美術品なのかっていうのを教えてくれるだけではなく、これを見に行きたいって言うと「分かりました」って言って、スマホのアプリが勝手に起動して、タクシー配車アプリにその美術館の名前が入り、あとはもうOKを押すだけで、タクシーが来て乗れる状態になると。
もう、執事ですね。
なので、今年のスマホはいろんなアプリが連携して勝手に起動して全て対応してくれる、という世界観になるので、かなり便利になると思います。
その裏にはやっぱり安定した通信もないと全てはうまくいかないことではありますよね。
そうですね。通信環境と、あとスマホの中の進化。いかに処理の高いことができるかっていうのが重要になってくるのかなと思います。
北さんは何か注目されていることはありますか?
私はネットワーク屋さんなので、そういう視点でMWCを見てると、6G系の話題が多かったのと宇宙が多かったかなと思っていて。HAPSがあったりとか。
HAPSって上空20kmぐらいをぐるぐる飛行機が飛ぶんですよ。そこから携帯電話の繋がる電波を下に吹くことによって、下の部分がエリア化されると。
宇宙からっていうことなんですね。
低軌道の衛星が常時通信をするっていうのも、昔はAppleもギリギリやばい時に繋ぐための低速度の通信はやってたんですけど、最近では普通に数MB出るような通信が普通の携帯電話と衛星で出来るようになってきました。
HAPSはもっと下を飛んでるのでもっと速い通信ができるようになっていきます。
日本でもSoftBankさんとかが頑張ってたりする技術なんですけど、だいぶ宇宙時代が近づいてきたなというのが印象的でした。
MWCではそうゆう端末、いわゆるスマホの発表だけではなくて、技術だったりとか、こういうビジネスが始まりますよとか、中で動いてるソフトウェアの話とかもあるということですよね。
今年、スマホと衛星が直接通信できるっていうのが一般化されるんですけど、ただみんな言い始めてるのが
Starlink一択でどうなんだみたいな話をしてるわけですよ。
Starlinkは凄くて、いっぱい衛星が飛んでいて、しかも安く提供できると。Starlinkはいいんですけど、それ以外の衛星もあるので、じゃあそれを何とかしましょうよって議論になっていて。
その中でSHARPがOneWebっていう衛星のアンテナを作ってるんですよ。
「何でシャープが衛星アンテナを作ってるの?」って聞いたら、スマホの技術が生かせるらしいんですね。
衛星のアンテナって囲碁の板ぐらいの大きさなんですけど、本当は馬鹿でかいサイズの衛星のアンテナなんです。それをSHARPの「スマホのコンパクトにする技術」によって基板を小さくしていると。
あと衛星ってものすごい熱を発生するんですって。その熱を冷やすっていう技術は、スマホって
今ものすごい進化をしていて。みんなゲームをするので。
そういった冷却技術と基盤を小さくする技術を合わせ持つと、めちゃめちゃ小さい衛星のアンテナができるって話をしていて、なるほどなぁと。技術っていろんなところに応用が効くんだなっていうので感動したんです。
スマホって皆さん気づいてないかもしれませんけど、すごい負荷がかかってますもんね。1日中動いてますし、ゲームやって、ナビ動かして、さらに色々メール送ってっていう。そこの技術が応用されていると。
今回のMWCでは非常に日本のメーカーが頑張っていて、SHARPもそうですし富士通とか、あと京セラは9年ぶりって言ったかな?に復活したりもするので。
日本メーカーってね、世界で存在感ないんじゃないかって言われてますけど、いやいや、モバイル業界ではまだまだ頑張っているなって感じですね。
逆にヨーロッパだったりとか、アメリカのメーカーっていうのは、MWCの中でどんな受け取られ方をしてるんですか?
元々ヨーロッパのイベントなので、ヨーロッパの携帯電話会社はめっちゃ存在感でかいです。っていうのがある中で、なぜか韓国の携帯電話会社もめっちゃでかいブース出していたり、各国を代表する企業の展示が見れるって感じですね。
今年のスマホのトレンド
私はMWCには行ったことはないんですけど、いろんな端末が、スマホがいっぱい出てくるっていうことで、消費者としても今年はどんなのが出てくるんだろうなってワクワクしているっていうところもあるんですけど、今は「薄さ」なのか「畳める」なのか、それともAIなのかとか。今後どういうスマホを作っていこうと思ってるのかなっていう指標みたいなのって何か分かったりするものでしょうか?
今で言うと、ソフトウェア的な進化はAIなんですけど、なかなかAIの利便性ってみんな気付きにくいじゃないですか。という中で、メーカーとしては薄型化に走っているところと、三つ折りスマホに行ってるところがあります。
ただ、三つ折りはすごいんですけど、価格が高いし、使い勝手はどうなのよってとこなので、普及はしにくいのかなと思います。
一方で薄型化は、持ってみると感動しますよ。中国系のメーカーも頑張ってますし、SamsungのGalaxyも今度出すと言われてますし、AppleもiPhone 17 Airみたいなものを出すみたいな話もあったりするので、多分薄型化っていうのは今年のトレンドになるんじゃないのかなと思いますね。
少し前はどう畳むか、横に畳むのか、縦に畳むのか。三つ折りも蛇腹みたいになったりしてましたけど、北さんはそういう折りたたみのスマートフォン、今どう思われてますか?
結構iPad mini好きなんですよ。だから畳んでホールドでiPad miniサイズになるってのはすごいいいなって思う反面、でもiPad miniとスマホでもいいかっていう思いもあったりします。
だから、あまり大きくなる方向、つまり折りたたんでそれを広げて大きくなる方向になると、「今度はタブレットでええやん」っていうのとかち合うところがあるので、昔の2つ折りのパカパカ携帯ぐらいでコンパクトに持ち歩けるとか、パカパカの構造だからこそ便利になるとか。そっち方向でスマホのユースケースってのがもっと広がっていく方向の方がいいんじゃないかなという思いはあります。
モバイルで何をするかっていうところですよね。
折り畳み携帯は「メーカーがこんなスマホ作れてすごいだろ」っていう、ややアピールがあるじゃないですか。韓国メーカーと中国メーカーの争いの中でそういったものになってるので、折りたたむからこそこんな使い方できますよ、こんな便利ですよっていうのを訴求できてるメーカーはあまりないのかなと思いますね。
三つ折りはもう完全に「二つ折りよりも俺らの方がすごいこういうことできるよっていう」プレゼンテーションですよね。めちゃ分厚いんですよ。
私の個人的な意見でもあるかもしれませんけれども、Appleの作るスマートフォンというのは、広く一般的に皆さんが使いやすいものを出そうとしてるのかなという中庸化をなんとなく感じるんですが、最近のAndroidスマートフォンがエッジなというか、尖ったものをMWCで出してるような印象があるんですけれども、このあたりどうなんでしょうか?
Androidベースになっていて、各メーカーが得意なジャンルで、尖ったスマホを出してるというところが
あると思います。
片やAppleは、先日発売したのはiPhone 16eなので、シンプルに振っているというか。カメラ一つしかありません。MagSafe対応しませんと。エントリーモデルとしてのスマートフォンiPhoneをMWCの前にぶつけてきたっていうのが、なかなかメッセージ性もあるのかなと思いますね。
バッテリー寿命も長くなるだとか、そういったところのマーケットの違いというか、何をターゲットにして作っていくかっていうところですよね。
Androidはもっとこう、いろんな、自分はこういうのが欲しいんだというような尖った人向けにメーカー作ってますけど、もうiPhoneは「とりあえずiPhoneでいいんだ」という人向けに今回はiPhone 16eを出したかな、という感じですね。
LISMO
ラジオ番組内で流したYUIの楽曲「CHE.R.RY」に関連してLISMOの話題に。
LISMOというサービス自体はもう名称変わってしまっていますけれども、LISMOのCM曲をきっかけに人気になった曲がありますね。
絢香の三日月とかもLISMOのCMソングでした。
リスのアイコンがすごく印象的に可愛かったです。
あの当時、携帯電話で音楽聴けるっていうのがちょっと感動したというか。今までは電話するだけ、メールするだけだったのが、音楽も聴けて、iモードみたいなのもあってみたいな、どんどん未来が広がっていくっていうのをすごく感じたサービスでもあったかなと思います。
本当に日本が先駆けて携帯で音楽を聴けるサービスだったんですけど、iPhoneが登場して一気に持ってかれましたね。
エンディング
Mobile Tech Lab。そろそろお別れの時間となりました。北さん石川さん、今日の放送いかがでしたか?
今日も僕、ほとんど石川さんのMWCの話を聞き専みたいな感じで、めっちゃ楽しかったなと思ったんですけど、ぜひちょっとまたそういった世界のとんがった情報を教えてもらえると嬉しいですね。
取材して、いろいろと原稿には書けないこともいっぱいあったので、そんな原稿には書けないことをちょっとしゃべれてよかったなという風に思いました。