Mobile Tech Lab vol.008|街のWi-Fiに繋いだ時の安全性

2025年5月25日放送の「Mobile Tech Lab」第8回放送のアーカイブです。

偽基地局の話題から転じて、街のWi-Fiに繋いだ時の安全性などについて話してます。後半は懐かしのウィルコムについても話しました。

オープニングトーク

この時期毎年台湾でCOMPUTEXというイベントが開催されています。弓月さんは毎年行かれていると。

毎年行ってますね。最近台北に行って思うのは、NVIDIAのCEOのジェンスン・フアン人気がすごいんですよ。革ジャンの人って認識されてる方もいると思うんですけど。

もちろん記者は彼の発表を見に行ったりとかっていうところで、盛り上がるのももちろんなんですけれど、も、やっぱり台湾にルーツがあるということで、台湾の人たちのヒーローっていう形になるんですよ。

なので、今日のジェンスン・フアンがどこで何を食べたかとか、今どのレストランにいるかっていうところの注目がすごく上がっていて。私も街を歩いていたら本当に報道のカメラがたくさん並んでたんですよね。

で、何してるのかなと思ってちょっと聞いてみたら、今中で会食をしているので、出てきてコメントを拾うためにそこで待っていると。前日はどこの夜市に行ったとかこれを食べたっていうのが、朝の帯番組で紹介されてみんなそこに行くっていう。本当にヒーローとして扱われていましたね。

日本だとじゃんがらラーメン食ったって言ってますけどね。

秋葉原とかでね。じゃんがらラーメン大好きで。結構ね日本の記者の方とも一緒に行くんだっていう話も聞いたりしました。非常にフレンドリーな方で素敵ですね。

偽基地局

さてこの番組では最新のモバイルテクノロジーを学んでいくということで、私たちが持ち寄った今注目すべきモバイルテクノロジーをご紹介していきます。本日のテーマは北さんお願いします。

偽基地局について石川さんとお話ししたいなと思っております。

最近いろいろなところでね話題として見ますけれども、この偽基地局とは何なんでしょうか?

街中で偽基地局を乗せた車が走っているらしく、そこから電波が飛んでいて、SMSが飛んでいてそれが受信されてしまうと。

ただ、これ中国語でのSMSが飛んできているようで。どうやら訪日外国人。中国から、日本に遊びに来ている人向けに飛ばしているんじゃないかという説があります。

説なんですね?

そうですね。実際まだ犯人が捕まったという話は聞いてなかったりもしますし、あくまでそういった怪しいSMSが飛んできている。さらにはそういった周辺では電話がつながりにくくなってる、と言う状況もあるようなので、そういった状況証拠と。

あとは詳しい方がいろいろと電波を調べて、どうやらこういう電波が飛んでいるらしいというのがXとかに上がっているので、そういった情報をいろいろ見ていくと、そんな感じになってるんじゃないかというふうに言われてます。

北さんこれはどういう仕組みで飛ばされてるんですか?

ちょっと噂というか、実際解析していないのであれなんですが、2GとかGSMって言われる、LTEとか5Gの2つぐらい前の世代の技術で電波を掴まされてると言われています。

今SMSが飛んでくる仕組みって、基本的に携帯電話がその基地局の方に在圏っていって、電波を掴みました。それで認証っていうのをかけて、あなたはこの基地局で正式に通信できるようになりましたよ、っていうのがあるとSMSを飛ばすことができる仕組みがあるんですね。

エリアメールとかって聞いたことあると思うんですけど、それと同じような仕組みを使って、在圏をしました。認証を通りました。メールが飛んできます。っていう仕組みを悪用されているっていうのが、この偽基地局のメカニズムであろうと思われている感じです。

飛行機から降りて機内モードをオフにした時とかに「今どこどこにいますね」「海外にいますね」っていう感じでメール飛んできたりしますけど、あれと似たような仕組みなんですね。

そうです、海外ローミングの場合も一緒の仕組みです。

でも、これって私達の方で何か防ぐ方法というか、引っかからないようにする方法はあるんですか?どんな実害があるのかっていうのは、いまだに分からないかもしれませんが。

2GとかGSMと言われてるものの通信ができなくするように、設定を切りましょうっていうのがあって、Androidならその設定ができるんですけど、iPhoneはそれがないので。怪しいSMSが飛んできたら踏まないしかできない。

街の中のWi-Fi

でも、今やっぱり町中に色々な電波が飛んでたりしますけれども、パブリックWi-Fiとか。あとはキャリアの飛ばしてるモバイルの電波がありますけれども、これってどう違うの?っていう風に言われた時にどう説明するのが正しいんですか?

Wi-Fiっていうのは誰でも、飛ばせるというところがあります。ちゃんと企業が飛ばしているものもあれば、人のデータを盗みたいっていう人がフリーWi-Fiっていう名前を付けて飛ばしてるケースもあれば、さも実在するようなWi-Fiの名前を付けて飛ばしてるというケースもあります。

一方で、携帯電話会社っていうのは町中にいろんな基地局と呼ばれるアンテナを立てていて、3G,4G,5Gといったような「セルラー」って言いますけど、そういった電波を飛ばすことによってちゃんと一人一人を認証した上で通信提供してるというとこになっているので、安全性で言えば間違いなく4G,5Gとかのセルラーに繋ぐのが良いです。

重要なデータをやり取りするのであれば、そういった街中のWi-Fiには繋がない方がいいというのはあると思います。

信頼している企業のカフェから来てるものだったとしても、それが本当にその企業が出してるものなのかどうかの見極めが実は出来ないという。

あくまでIDの名前でしか判断できなかったりもするので、月末になってパケットが少ないからフリーWi-Fiに繋いじゃおうっていうと、そういった怪しいWi-Fiに繋いでしまう可能性もあります。

向こうのサーバーのデータが見られるってことは、イコール自分のコンピューターとかスマホの中のデータも当然見られるっていう危険性があったりもするので、大切なデータがあるのであれば、極力携帯電話会社のセルラー網に繋いでおくのがいいと思います。

元々モバイルネットワークと家で使うような普通の回線の違いは、どう説明するのがいいんですか?

基本的には通信の暗号化がどれくらい強力にかけられてるかっていうのが一番大きな違いです。

先程のWi-Fiも一般的な光の通信っていうのも、基本的にはインターネットの仕組みなので、何も暗号化をかけずに通信をすると途中でスニッフィングって言って抜かれてしまう可能性があるので、例えば「https://」っていうのをちゃんと付いてるサイトに繋ぎましょうとか。

ちゃんと暗号化通信できてるよねっていう確認をインターネットを使うんだったらやった方がいいんですけど、携帯電話の通信ってのは基本的に暗号化が勝手にかかってると言うとアレなんですけれども、少なくとも携帯電話とか会社の中のネットワークを通ってる間は完全に個人の通信が見れない状態で通信が行われているので、非常に安全ですよっていうところがあります。

ただ、その先でインターネットに抜けていくので、その先で暗号化してなかったらやっぱり抜かれる可能性があるんですけど、一般的なインターネット回線に比べると携帯電話会社が持っているネットワークを通る通信の方がセキュアにやり取りができるというものがあります。

マンションで日中回線が混雑する理由

最近はマンションとかで3時ぐらいになって子供達が帰ってくるともうWi-Fiが使えなくなるみたいな状況があったりするっていう話も聞いたりしたんですけど。

ちょっとまた意味合いが変わってくるんですけど、大体マンションってマンションの一番下に鉄の箱があって、そこに光のケーブルが入ってきて、それを分岐させて各家に分配するっていう仕組みになってるんですね。

それがVDSLとか宅内配線とかっていう仕組みなんですけど、それが一つの光回線とか2,3本の光回線を、例えば300戸ぐらいの家で共有するっていうのがあるので、出口で詰まっちゃって遅くなるっていうのが今マンションでよく起きている問題だったりします。

そういう時には例えば、自分のモバイルの通信を使って混んできたらモバイル通信を使う。空いてる時間は光の回線を使うみたいな形がいいのかなと思います。

お父さんお母さんは家で仕事をその時間にするんだったら、モバイルの回線を使った方が安全だし安心かなっていうことですね。

ウィルコムについて

さてここから、はモバイル思い出話のコーナーです。携帯スマホにまつわるエピソードトークをお話していこうと思いますが、今日は懐かしのウィルコムについてお話ししようかなと思います。

ウィルコムって元々DDIポケットというPHS会社が発端になっていて、PHSって「070」の番号が付いていて、安い携帯電話的な位置付けでスタートしましたが、家のコードレス電話がベースとして作られていたため電波はそんなに強くないので、とにかく基地局やアンテナをいっぱい作らなければ繋がんなかったという状況でした。

その分、基本料金は安いんですけども、大人よりも女子高生とかそういった人に中心で売れていったという感じもありました。

ただ、やはり多くの人が、高くてもいいからどこでも繋がる携帯電話を選んだっていう傾向があったので、DDIポケットは非常に苦戦をしたというところがあります。

ただ、そういった苦戦した中でウィルコムになって、だったら自分達の強いユーザー層で勝負していこうというところがあって。一つには可愛い端末を作りましょうというところで、HONEYBEEと呼ばれるような可愛いくてカラフルな電話機を出したというところもあって、若い人に売れてたっていうのもあります。

すごくカラフルで可愛かったですよね。

サービス面でいうと「誰とでも、定額」という音声通話の定額サービスを始めました。これも当時のウィルコムってネットワーク的にはガラガラだったので、電話をいっぱいされてもそんなに影響ないというところもありました。

携帯電話の通話って別々の会社で通話するとそこに接続料っていうのが発生して、それで例えばA社からB社に電話するとユーザーが払った通話料の一部を接続料という形で相手の会社に払わなきゃいけないんですけど、ウィルコムのユーザー間であればそういった接続料は要らないと言うようなところがあるので、「誰とでも、定額」として何時間しゃべっても一定ですよといったサービスを提供したと言うのが非常に大きかったなという感じです。

同じキャリアだったら無料になりますよみたいな、新しいプランがあったなっていう印象ですね。

それで一気にユーザーが増えたというのもありますし、あとデジタルガジェット大好きな人向けにはW-ZERO3といったような、スマートフォンの先駆けと言ってもいいんじゃないかな。

スマートフォンという言葉がiPhoneとかが出る前に使われだしたのがW-ZERO3が最初でした。

ゲーム機みたいな、ちょっとスライドするとキーボードが出てくるっていう端末でしたね。

まだあの時スマートフォンって言葉使われてなかったんですけど、W-ZERO3の…。W-ZERO3[es]でしたっけ?2代目3代目ぐらいのやつがあって。その頃にはもうスマートフォンという言葉が使われ始めていたので。

だから、日本にもスティーブジョブズがいたんですよ。知り合いでずっと取材してましたけど、見た目も何かそんな感じなんですけど、世界でも勝負できたなって思いますね。

その時はあんまり日本の市場から世界にっていう、風潮がなかったってことなんですかね。

そうですね。ただね、PHSって技術自身は実は台湾でも使われたりもしましたし、一部の海外。タイとかでも、確か使われてたりもするので世界でも進出する可能性は十分にあったんですけど、日本のいい技術として終わってしまったっていうので、非常に残念だなと思います。

ウィルコムってカップルで持ってる人とかが多かったイメージがあって。HONEYBEE持ってるとちょっとリア充な印象があったりとか。あとサブ端末ってのを初めてあの時に…。メインは別の携帯を持ってて彼氏彼女と喋るためにウィルコム持ってますっていうのが、なんかちょっとトレンドになった感じありましたね。

今もサブ回線的な需要ってあったりもしますけど、サブ回線の先駆けだったのかなというところは感じますね。

割と色んなマニアックな端末ありましたよね、ウィルコム。

PHSって通信自体はモデムとかコンパクトにできたりもしますし、バッテリーを持つというところもあるので、かなり自由な創意工夫を持った端末っていうのは、いっぱいあったかなっていう気はしますね。

TEGACKYっていう手書きの端末ががあったんですよ。自分で書いた文字を送れるっていう。

本当に今のスマートフォンの先駆けじゃないですけど、手書きで書いたやつを画像として送る。それでコミュニケーションするっていう、なかなか先を行ってたものだったりもしますし、テレビ電話もなんだかんだ言ってウィルコムは早かったりしたので。コミュニケーションを豊かにするっていう意味では、頑張ってたなという気がしますね。

そういった技術が色々あったのになかなか外には出て行けなかったっていうのは、何が理由だったんでしょうか?

日本の市場ってそれなりに大きかったりもするので、日本の市場で満足しちゃうっていうのはあったりもするのかなってところですし、やっぱり当時、世界で勝負するっていう発想はあんまりなかったっていうのが正直なところですね。

標準化とかっていうものがあって。今の携帯電話って3GPPっていう標準化の下に作られてるんですね。

標準化戦略という言葉があるんですけど、自分達の技術を使って標準化にこれを盛り込んで、他社から特許料を取るみたいな。PHS全盛期の頃の日本企業ってあまりやれてなくて。

それがうまくできたのが3Gとか、W-CDMAとか、CDMA2000とかっていうのが3Gの携帯の技術だったんですけど、そこらへんぐらいから日本の企業だったり日本の通信キャリアってのが標準化をかなり力を入れてやるようになったっていうのがあって、それのちょっと前だったんですよね、PHSが。

なかなか技術を発明してこれはできるなってなっても、標準化に行かなかったので、そこで終わってしまったことがあったと。

3Gの頃っていうのは世界で3つぐらいの規格だったんですけど、4GやLTEの頃になってようやっと世界統一ができたっていうところで。

その時にドコモの尾上さんていう人がいたんですけど、その人が頑張って頑張って世界統一化してきたって感じで。今その尾上さんていうのは「LTEの父」と呼ばれてるんですけど、今やもう世界で活躍されていて、世界の標準化団体の偉い人みたいになってたりもします。

日本の技術がまた更に日の目を見る日っていうのが今後来るかもしれないですから、そこは期待して待ちたいところですね。

エンディングトーク

Mobile Tech Lab。今日もお別れの時間となりました。北さん石川さん、今日の放送いかがでしたか?

いやーまさか今日標準化の話ができるとは思ってなかったので、聞いてくださってる方をおいてけぼりにする話をしてしまったなと思いました。

石川さんいかがでしたか?

まさかPHSから、LTEの父の話になると思いもしなかったので、非常に面白かったなと個人的には思います。

ラジオで放送した楽曲

遠く遠く / 槇原敬之

GIMME YOUR LOVE~不屈のLOVE DRIVER / B’z