Mobile Tech Lab vol.010|5Gがどれぐらい社会にインパクトを与えてるか

2025年6月8日放送の「Mobile Tech Lab」第10回放送のアーカイブです。

「5Gがどれぐらい社会にインパクトを与えてるか」をテーマにお話ししています。後半のモバイル思い出話のコーナーでは「デザイン携帯」について語りました。

オープニングトーク

弓月さんは万博行ったんですか?

万博行ってきました。基地局も基地局車もチェックしてきたんですけど、石川さんのおっしゃってたWi-Fiもすでに飛んでおり、ゲート専用Wi-FiっていうのがすごくちっちゃくゲートのところにQRコードが置いてあったので一応読んでみるかなと思ったらすごいサクサクで繋がってましたね。

思ったよりも全然電波に困ることはなく紙で印刷した方がいいとか言われたりしてましたけど、特に今のところ問題はなさそうでした。

改善したんですね。

ただまた今後混んでくるとどうなるのかわからないなと。

万博のアプリって結構いろいろあって、オフィシャルだけではなくいろんな方が作ったりしたんですけど、パーソナルエージェントアプリ(EXPO2025 Personal Agent)が結構便利で。

あれって予約した情報をID経由で読み込んでスケジュールを入れられて、しかもAIがあなたのおすすめのパビリオンを推薦してくれたりとか、あと次のパビリオンどこへ行こうと思って入力するとちゃんと道案内をしてくれたりもするので、そのアプリだけは入れておくのがおすすめですね。

意思決定に時間がかかっちゃうと遅れをとりますから、あるといいかもしれません。

5Gがどれぐらい社会にインパクトを与えてるか

さてこの番組では最新のモバイルテクノロジーを学んでいくということで、私たちが持ち寄った今注目すべきモバイルテクノロジーをご紹介していきます。本日のテーマは北さんお願いします。

今日はですね、この番組のもともとのメインテーマで、モバイルの最新技術が社会に実装されたらどうなっていくのかみたいなところで、ちょっと振り返りっぽいんですけど「5Gがどれぐらい社会にインパクトを与えてるか」っていうところについて、「未来IT図解 これからの5Gビジネス」の著者である石川さんにいろいろお話を伺いたいなと思っております。

5年前の本になりますね。5Gは非常に期待はされていましたけども、実際どうなんだという話ができたらなというところだと思いますが、正直ね、どうなんだみたいな感じはあるのかなと。

夢の部分から語っておくと、5Gが入ってきた時に真っ先に言われたのは、超高速・大容量・低遅延っていうのがあって。

これからは例えばVRとかAIとかが5Gによってもっと身近に来ますよとか。遠隔操作でロボットアーム動きますよとか。あとファクトリーオートメーションって工場を、ちょっとマニアックな話ですけどローカル5Gってのを使ってWi-Fiを使わずにみんな自分の5Gの基地局を持ってもっと自動化を進めていって「社会が変革が起こるんです、5Gで」 みたいなことを散々煽りまくってたところがあって。

それが実際蓋を開けてみると、今のところはやっぱり速くなったなみたいな感覚はあるけど、社会が大きく変わったインパクトというか、実感はないんじゃないかなというのがあるんですがいかがですかね。

業界的にはちょっと誤算があって、5Gって新しい周波数を使うんですけど、その周波数を使いますっていう時に衛星会社が使っている電波と干渉するっていうことがわかってたんですよ。

サービス始まった当初はその衛星の電波と干渉しないように電波の吹き方をちょっとアンテナから下に向けてみたりとか、フルパワーでのサービス提供ってのは全然できてなかったんですね。

それを数年かけて衛星との干渉をなくしましょうよっていうのを準備とか進めて、衛星のアンテナは別のところに置きますよってやって、ようやっとその干渉がなくなったのが去年の春ぐらいだったりもするので、ようやっと5Gの実力が出始めたのは去年ぐらいかなというのが正直なところですね。

5Gはまだ本気を出していなかったっていうような状況なんですね。

ようやっと本気が出始めた。

コロナもあったんですけど、5GってNSA(ノンスタンドアローン)と、SA(スタンドアローン)っていうのがあって。

簡単に言うと、基地局、電波を吹く人たちは5Gのものですと。で、コアとか交換機と呼ばれるようなものはLTEと同じものを使ってて、4Gと同じものを使ってたっていうのがNSAだったんで、それがSAに置き換わっていくのが、コロナで各社ちょっと遅れたっていうのが実はあって。

ちょっと空白の時間ができてしまったんですね。

SAになっていってSA対応の端末とSA専用の交換機が揃ってくるとできることがぐっと増えるんですけど、そのためのNSAの期間が長くなってしまったせいで、今はだいぶ変わってきてはいるんですけど、SA対応端末が普及するのに時間がかかったみたいな背景もあったので、そこで時間を食ってしまったかなっていうのがあります。

ただ今私たちのリッチなコンテンツ、リッチなコンテンツっていう感覚がもう古いのかもしれませんが、大容量のデータをリアルタイムで処理するようになってますし、何の気なしに移動しながらYouTubeを見たりNetflixダウンロードしたりなんていうことは、やっぱり3Gの時には難しかったわけで。そこからくるとかなり豊かな状況にはなったかなと思いますね。

今調べ物をするにもテキストのウェブサイト見るよりも、YouTubeで動画を見るってことも増えてきたので、やっぱりそれだけに耐えられるネットワークっていうと、このタイミングで5Gになって良かったのかなというところですし。

ただねやはりこれだけネットワークに負荷がかかるようになると、各社相当ネットワークをどう作ってくっていうところで、快適なネットワークを提供できてる会社もあれば、そうじゃない会社もあったりもするので、若干差が出てきてるかなという感じだと思いますね。

皆さん本当に移動しながら、リール動画を縦に見てる方も多いので、ちょっと止まるとなんとなくストレスに感じるぐらいになってきてますもんね。

動画くらいだったら実は4Gの頃からそんなに無茶苦茶大変ではなかったんですけど、やっぱり最近遅延があったりすると楽しめないもの。例えば、ゲームはラグるとイライラするとか。そういう低遅延が当たり前になってきてるっていうことの方がむしろ携帯電話会社にとっては大変だったりします。

確かにゲームだと本当に勝敗に大きく関わりますから。

あとは遠隔でZoomが当たり前になってるじゃないですか。ああいうのもある程度容量大事なんですけど、遅延が大きくなってくるとカクカクしたりするっていうがあったりするので。

でも今本当にどこにいてもWi-Fi無しでもオンラインのミーティングって快適にできるようになったなという風には感じますね。本当に5Gの技術は色々となんとなく耳だけで聞いていて、5Gすごいんだろうなって思いながら、どこから切り替わったのかなっていう、ぬるっとした感じですね。

メジャーどころでいくとスタジアムソリューション。例えば選手の心拍数みたいな話もあったと思います。選手目線の映像を見れるとか。

vol.003での鈴鹿のF1お話でも、自分の携帯電話で今の状況が見れますみたいな。ああいうのは5G系のスタジアムソリューションとしてはメジャーではあるんですけど、なかなかそのスタジアムソリューションから広がっていかないというか。

Local Break Outとかって技術があったりするんですけど、5Gの基地局があってすぐ横にコンテンツを配信するサーバーみたいなものがあって、その中でやり取りをするのでインターネットまで出ていかないから速いですよとか低遅延ですよとか、リアルタイムに選手の見てる映像が手元に届きますよみたいなのってすごい技術なんですけど。

スタジアムの中でそれが完結されるっていう。

それがなかなかスタジアム以外のユースケースになかなか活かされてないみたいなところがあるのかなと。

大容量で通信できますよ、スタジアムで組み合わせますよっていうところで、じゃサッカーでもプロ野球でもいいんですけど、好きな選手をひたすら追いかけることができますみたいなアピールあるわけですよ。

自分で大量の映像の中から自分の好きな選手を追いかけることができたりするんですけど。あと自分で好きな角度から見れますよっていう風にやるんですけど、ただもっと集中して試合って見たいじゃないですかっていうのもあるし、あとスイッチャーというか映像を切り替えるディレクターさんっていうのは、相当プロな人が本当に見たい映像を頭の中で考えてスイッチングしていくっていう、本当にプロの技なので、そっちに任せた方がいいんじゃないの?っていうのは個人的に思っていて。

技術でこんなこと出来ますよと実際にユーザーが見たいもの。さらにはそのプロがやってることっていうもののバランスがまだ難しいのかなっていう気がします。

選手の心拍がリアルタイムで分かるとかっていうのは、スポーツに明るくない人でも自分がスポーツをやったことなくてもこんなに心拍数が上がるものなんだなっていうリアル感は増しそうですけどね。

一応エンターテイメントとしてちょっと楽しくなるぐらいの仕掛けではあるんですけど、それぐらいだったら5Gいらないって思う技術だったりするっていう。

そこからどうやってビジネスに繋げていくかっていうところが、今まだ課題と言えそうですか?

そうですね、やっぱりビジネス展開がうまくいってるとは言い難いところがあって。一番ユースケースで上手くいってるのは何だろうな。正直自動運転もメジャーなユースケースと思われてたんですけど、自動運転はネットワーク経由だとあかんなあってことが分かって。

自動運転はあくまで車の中にあるセンサーとかライダーとかっていうので車自身が自律的に動いていく。その中で補助的な情報を5G経由で車に送るぐらいしかできなかったりもするので。じゃあ5Gで自動運転だって話もちょっと無いよなってなってるし。

あとよく言われたのが超低遅延だから遠隔手術ができますよと。離島にいる患者さんに対してロボットのお医者さんが東京にいるお医者さんが遠隔で操作するみたいなことも言われてましたけど、それって何かがあった時に誰が責任取るんじゃい?って話はずっと抱えてる問題だったりもするので。

5Gでこんなことできますよって本にめっちゃ書きましたけど、とはいえ何一つ実現しないなっていうところに虚無感を感じてるという。

これはでももしかしたら、この先実現するかもしれないっていうことでいいんですかね。

まずは先ほど言っていたSAというものにどんどん切り替わっていってるところなので、それによってネットワークスライシングとかっていう何回か話してる技術が使えるようになってくるっていうのもあります。

我々はスマートフォン知らないところから来てスマートフォンがあったりそもそも携帯電話がないところから来ているじゃないですか。

それがあるのが当たり前の人たちが次のビジネスを考えていくんじゃないかなっていうのがあるので、我々はとしてはこんなおもしろいことができますよって言っていくことによって、若い人たちが新しいビジネスを作ってくれたらいいなっていう思いでこのラジオをやりたいなと思ってます。

懐かしのデザイン携帯

さてここからはモバイル思い出話のコーナーです。携帯スマホにまつわるエピソードトークを、お話ししていこうと思いますが、今日はデザイン携帯についてお話していこうと思います。石川さん、デザイン携帯といえば…。

そうですね、やはりインパクトが大きかったのが。au Design projectのINFOBARなのかなと。深澤直人さんのデザインによってかなりかっこいい。今でも伝説的に刻まれていると言ったような携帯っていうのはね、本当に懐かしいなぁって感じしますね。

やっぱり当時は携帯でも無機質なものが非常に多くて、シルバーならシルバーとか、ちょっと派手でもピンクとかそういうものがあるくらいでしたけれども、INFOBARはすごくポップな発色ですものね。

NISHIKIGOIって言ってボタンそれぞれに色が違っていて、ストレートの携帯電話でボタンがあって画面がちょっと小さくてっていうところで、いろいろデザインで遊べた時代だったのかなって気がしますね。

やっぱりauさんが目立ってたっていうのは、その時デザインにこだわれる環境があったってことなんですかね。

au Design Studioがあって、それをすごい前面に押し出してやられてたので、それは他社さんがやってなかった活動かなと思います。

デザイン賞とかも取られたりしている携帯もありました。

草間彌生さんを起用してドットの犬の携帯のケースですとか、あとtalbyといったようなね歴史もあったりもするんですよね。

草間彌生さんのは100万円の携帯電話ということで、パッケージからこだわった現代アートじゃないですけれども、非常にそういう側面を持った携帯でしたね。

まさにアートでしたね。

皆さん是非「草間彌生 携帯」とかで調べると画像が出てくると思います。

iidaってまだ残ってるんですか?

いやいやいやもう、全然残ってないですね。当時KDDIの本社は飯田橋に移転するとかっていうので、飯田橋からiidaって取ってたらしいです。(※これには諸説あります。)

当時って石川さんは新しいデザインが出たよっていうことで取材に行かれたりしてたんですか?

そのデザインが出るっていうのでデザイナーに取材したりとか、あとやっぱり色とか材質っていうところにもこだわっていて、塗料メーカーとかもどういう色を作ったらいいとかっていうのもやってたりもしました。やっぱりそういった「モノ」としての完成度を高めるためにいろんな人が携わっていて取材する機会も多かったですね。

でもそれはやっぱりデザイナーがこの赤にしたいと言っても、携帯に使える素材でかつ発色が綺麗になるものってなるとすごくマテリアル限られてくるんでしょうね。

そう、だからよく言われたのがピンクが難しいって。ピンクってアンミカさんじゃないですけど2,000種類くらいあって、その中でユーザーにマッチする、携帯の樹脂に塗っても綺麗に仕上がる色っていうところで、塗料メーカーは相当苦労をしたみたいですね。

インタビューした中で何か記憶に残っていることありますか?

そうですね、それで言うとやはりね。質感とかっていうとこだったりもしますし…。ぱっと出てこないですね(笑)

あとこの時ですね「Q-pot.」チョコレート携帯。この時はワカマツタダアキさんのデザインがすごく売れていたということで、この時って私の感覚で言うと「可愛いものが欲しければ自分でデコらなきゃいけない」っていう印象だったんですよね。私もすごいラインストーン入れたりとか、あとぬいぐるみくっつけたりとか、すごいジャラジャラした携帯持ってました。

スワロフスキーとかくっついた携帯売られてましたよね。

そうでしたよね。ただその後スマートフォンの時代が来て、直接機種にやらなくても良くなったっていうので私はケースにハマっていったので。

そうですよね。だからデザイン携帯も折りたたみとかストレートだったらいいんですけど、デザインする余地があるからこそデザイナーが頑張れたんですけど、スマホになっちゃうと前面はディスプレイだし。

背面しかデザインで勝負できないけどみんなカバーしちゃうから勝負にならないみたいな感じだったりもするので、スマホが出てきたことによってそういったデザイン携帯っていうのも廃れちゃったかなっていうのはなんかもったいないなと思いますね。

まだ日本ではその流れってないのかもしれませんが、結構中国の富裕層の方向けにブランドコラボ品みたいなのも今は出てたりしますから、もしかしたら折りたたみとか色々今度形が変わる中でもう一度来るかもしれないですよね。

そうですね。形が変わることによって多分いろんなそういったコラボ物ってのは出ていくんじゃないのかなという気はするのでね。これからまた期待したかったりもしますね。

デザイン携帯と言われるとちょっと懐かしい思いもありますけれども、割とauのNISHIKIGOIの最近復活プロジェクトじゃないですけど、もう一度デザイン見直そうみたいなところもあり。

私は取材でですね、NISHIKIGOIの羊羹。とらやの羊羹を作っていただいたものを、座禅体験をしながらその羊羹をいただくみたいなのがあったんですよね。

それはスマートフォンの時代にガラケーのことを思い出してみるとか、休日は例えばNISHIKIGOIのINFOBARを使ってスマホは見ないとか。そういう半分デトックスみたいなのはどうですかっていう提案を結構されてましたね。5,6年前だったと思いますが。

エンディングトーク

Mobile Tech Lab。今日もお別れの時間となりました。北さん石川さん、今日の放送いかがでしたか?

今日ネタ振りさせていただいた5Gの話。夢と現実両方あると思いますけど、それを石川さんからも聞けて楽しかったです。

デザイン携帯の話をした中で、こないだNothingのイベントに深澤直人さんが出てたりとかして、結構ああいった奇をてらったデザインっていうのはNothingに継承されてるなって改めて思いましたね。

ラジオで放送した楽曲

話したいあなたと / salyu × salyu

Strobolights / スーパーカー