2025年8月10日にBAYFM78で放送された、Mobile Tech Labの第19回のアーカイブです。
今回は「モバイルあやふや話」と題して、モバイルについての「知ってるようでよく知らない話」を石川温さんに伺いました。
目次
オープニングトーク
8月ということでお盆の時期でもありますが、皆さんお盆の時期はいつも何していらっしゃるんですか?
旅行に行くというか、サラリーマンなので、その時期しか旅行に行けないみたいなのがあって。
モバイル業界はお盆進行っていうのはそんなにないですかね。
ないですね。お盆進行はなくても どちらかというと休んでいる人が多いイメージですね。花火大会とかがあるとその時は花火大会のために現地に行く人と、ネットワークが死なないように張ってる人たちがいる。
休めない人たちもいる。
今だと万博もそうですけど、万博シフトみたいなのをたぶん各社組んでいるはずです。
石川さんはお盆の時期は。
ずっとフリーランスでやってきてて、フリーランスっていつでも休めるっていいなって最初の頃は思ってたんですけど、人と違うタイミングに休むとバンバン電話かかってきて、なんか仕事の依頼とか締め切りだとかって言われてて。意外とこれ、人が休んでるタイミングに休んだ方が一番心が休まるなって気づいたんですよ。
私も最近そう思っています。
だから世間がお盆のタイミングに ひっそりするのが一番いいんじゃないかなってことにね。
先週に引き続きひっそりしようと。
モバイルあやふや話
さて、この番組では最新のモバイルテクノロジーを 学んでいくということで私たちが持ち寄った今注目すべきモバイルテクノロジー をご紹介していきますが、今日のテーマは「モバイルあやふや話」というところで、モバイルにまつわる「これってどうなんだっけ?」とか 「この技術ってどうなったんだっけ?」っていう話をしていこうと思うんですが。
まず質問させていただきたいのがモバイルとタブレットってどう違うんですか?というところなんですけど。
よく画面サイズで 違いってあるとは思うんですけども、やはりスマホとかタブレットで明確に違うのは、電話番号での通話ができる・できない これが一番大きいのかなと思います。
昔スマートフォンって結構どんどん巨大化していって、一時Androidでも7インチクラスとかっていうスマホもあったりもしたんですけど、「これってほぼタブレットじゃ」みたいな言われ方もして、やっぱりでかいと電話しにくいよねということにみんなが気づいて今のサイズ感になってきたのかなと。
6.8〜6.9インチぐらいっていうのが落ち着いてきた、スマホのサイズ感になってきたのかなというところです。
とはいえ今ね、二つ折り・三つ折りが増えると、これはタブレットでは?っていう。開いた状態だとそういうサイズ感にはなってますよね。
そうですね、だからそれこそこの間発表になったGalaxy Z Fold7とかっていうのは開いたら8インチっていうかたちにもなりますし。
で、さらに、中国メーカーだと今三つ折りが出てたりもするので、あれになってくるともう開いたらタブレットという使い方になってくるので、今後折りたたみが出てくるとますますこの境界線というのが なくなってくるのかなと思いますね。
基本的には電話の機能があるかないか というところなんですね。
それによってあれですもんね、いろいろと。
法律が変わってくる。
どういうあれなんですか?
一番大事なのは緊急口(110番・119番など)に繋がるか繋がらないかというのと、あとはエリアメールが大事かなっていうのがあって。
例えば、緊急地震速報が受信できるか。あれってSMSとかエリアメールって仕組みが使えないといけないので、電話の音声通話と同じような仕組みを持ってないといけないです。
パケットだけが使えるSIM「データSIM」と呼ばれるものだとそれができない。
一応電話番号持っているんですけど、そういうことをやる機能をSIMは持ってないことないんですけど、端末側にその機能がないので、電話機としては使えないし、そういうエリアメール的なものも受信できないっていうのは1個大きな違いですね。
もう明確に法律でスマホとタブレットは変わっていると。
別物として扱われるというより電話の方がちゃんと守られてないといけないというか、電話がつながる通信っていうのをちゃんとキャリアは監視してなさいよ、ってのがあって。
データ通信用だったらそこまで、一応大規模障害起きたら怒られるんですけど、より厳密に怒られるのは緊急口がつながる音声通話を止めてしまうと、よくある3万人とか2時間とかいろいろあるんですけど。
でもそれはやっぱりラジオもですけど、電波を扱う仕事というか、そういうところでスマホの方が厳密にいろんな規制があるってことなんですね。
人の命に関わるって言い方が一番。やっぱりそれが使えないことによって救急車呼べないみたいにならないようにしっかり守りましょうと。キャリアも使ってる人たちの通信もしっかり守りましょうっていうのが基本的な法律の考え方です。
緊急地震速報の仕組み
今ちょっと話に出ましたけど、緊急地震速報というのはどうやって届いているのという2つ目の疑問です。
みなさんメールって文字をやり取りすると思うじゃないですか。
昔ドコモとかだとエリアメールっていう言い方をするんですけど、あるところに入ったら「こういうお得情報がありますよ」みたいなのが届いたりするっていう。あの仕組みを使って地震が起きた時に気象庁がこのエリアにこういう地震が起きましたよっていう。
各基地局が持っているエリアがあるんですけど、そのエリアに番号が振られていて、「この番号のところに震度5が来ます」みたいな情報を気象庁が出すんですよ。そこにいる人達に向けて一斉にメールを飛ばすっていう仕組みなんですね。
普通のメールってどっちかっていうと端末からサーバーに取りに行って戻ってくるっていう仕様なんですけど、この方式は一方通行。上からドーンと落として、そこに誰がいるかは関係なくて、そこにいる人に対して「あなたのとこに地震が来ますよ」ってのをやるので、むちゃくちゃ速いんですよ。
大体エリアメールって2つあって セルブロードキャスティングって方式とETWSって方式があって。
クーポン届きますみたいなお得情報みたいなのはセルブロードキャスティングで飛ばすんですけどその場合は6秒とか7秒で届くのに対して、ETWSは3秒から4秒で届くっていう。
その2秒・3秒が命を分けるっていうので、もうとにかく早く送る。とにかくそこにいる人に無差別に送りつけるっていうのをやったっていうのがそのETWSって仕組みなんですね。
それをやったのが日本人なんですよ。世界中で使われてる標準化の技術なんですけど、 日本人が作って標準化に乗せたっていう。
みんなが狙っている標準化ですね。技術の標準化をしないといけないっていう話を番組始まった当初にお聞きしましたけど、 日本人の方なんですね。
阪神淡路大震災があったので、東日本大震災の時に緊急地震速報がかなり多くの人の命を救ってると思うんです。
阪神淡路だったかちょっと記憶が定かではないんですけど、 あの辺にあった地震で、もっと多くの命を救いたいっていう思いを持ったモバイルのエンジニア達が、世界にどんどんこういうのをやっていくぞって言って引っ張って作った技術です。
でも本当に我々大きな地震が起きるまで、または緊急地震速報が鳴るまでその技術があることに気付かなかったりしますけど、そこで自分達が気にしてなかった技術が命を救うっていうことですもんね。大きい音がなるのでびっくりしちゃいますけど、みんな音が鳴るようにそういう設定になってるってことですもんね。
たまに音鳴らへんスマホがあったりするんですけど。絶対に標準化で鳴らせるっていうのは端末側もテレコムキャリア側もやってるんですけど、たまに鳴らないことがあるんですよ。そういう時に「あ、この会社ちょっと何か テストサボったな」みたいなのもあったりするっていう。
やっぱり有事の時に鳴らないスマホは良くない。
鳴らないスマホなのか回線なのか。どっちかが何かをサボってる可能性があるので、そこはやっぱりしっかり鳴るものを選んでいただくってのが大事だと思います。
鳴ったか鳴らないかは携帯電話会社側は把握はできないですよね。去年ぐらいに大阪の放送局から問い合わせがあって、一斉に緊急地震速報が鳴ったんだけど、ある1社のユーザーだけ聞こえてないっていう話があって。
それは何でか?って聞かれたんで、ちょっと分かんないので携帯電話会社の広報に聞いてみますねって聞いたんですけど、彼らも分かってないわけですよ。いや、鳴ってるはずだっていうことは言ってたので、結局真相は分かんなかったんですけども。
ただね、そういった普段の通信であればちゃんと確認は取れるけども、ばらまくっていうスタイルなので、どうしても分かってないっていう。
そのETWSっていう仕組み自体がそのエリアに在圏していることを条件に鳴らすものなので、例えば全然違うお隣の電波を掴んでましたとか、基地局と基地局の狭間にエッジっていう場所があるんですけど、そこにいたりするとどっちやねんみたいなのがあったりするので、鳴らないのは必ずしも何かのバグだけではなくてその人が今いる場所がたまたまダメみたいな。
県境にいたみたいな。これどっちの県かなっていうところで、わからなくなる。でもやっぱり鳴らなかったよっていうのはフィードバックした方がいいんですか?
そうですね。本来周りの人達のが鳴ってて自分が鳴らなかった場合っていうのはあってはいけないことなんですけど、基地局のエリアに付けてる番号を間違ってるとかっていう可能性もあったりするので、そういうのはおかしいですよってのは言った方がいいです。
それが起きるともう1個困った問題があって、緊急通報する時にこのエリアはこの市区町村のここに繋ぐっていう紐付けをしてるんですよ。そういう「この在圏のエリアはどこの市区町村?」 みたいな情報の紐付けをしくじると全然違うところに緊急通報がかかったりするので。
あってはいけないんですけど、そういうことがもし本当に見つかってしまった場合、例えば東京の練馬区から電話をかけてなぜか分かんないけど西東京に繋がりました、みたいなことが起きたらこれは何かおかしいぞみたいなのがあるので、ないとは思うんですけど、 あったらすぐ教えた方がいいと思います。
本当にそういうところでも技術が人を支えてるものなんですね。
あれはもう厳密に設計されてるので。
AirTagの仕組み
では最後の質問でしょうか。AirTagの仕組みなんですけれども、これ結構分かってるようで分からない。
Appleが出しているタグですよね。あのAirTagってなぜ追跡できるのか。そして、何を使って動いているのか。ここ結構分からないっていう疑問を私も頂きました。 どうでしょうか?石川さん。
AirTagって500円玉サイズぐらいの薄っぺらい板みたいな感じですけど、GPSって呼ばれる技術はほぼ使っていません。GPSって宇宙から飛んでくる衛星からの電波をもとに幾つかの衛星の電波を掴むことによって自分の場所を特定するというものですけど、さすがにあの小さなAirTagではGPS情報を掴まないので。
で、何で取ってるかっていうと、周りにiPhoneを使っている人に助けを借りているといいますか。周りにiPhone使ってる人いると思うんですけども、その人とBluetooth通信をすることによって大体この辺にいますよ、と言うのが位置情報として特定されます。
例えば、そのAirTagを持っていたユーザーが遠く離れたところから自分のAirTagがどこにあるんだろう っていう風に探すと、いろんなiPhoneユーザーを転々と渡り歩いていってそれでAirTagの場所が分かるというものになっています。
なので、AirTagとiPhoneのユーザーのiPhoneの間では 本当に微々たる通信が発生していて、それによってこのAirTagどこにありますよ、というのが分かるようになっているという仕組みです。
実はパケットを使っている。
iPhoneの場合は常にいろいろな通信は発生してますけども、その中にAirTagの情報もちょこっと流れてるという感じになります。
でもこれってiPhoneのユーザーが多くないとそもそもその乗っていくお隣のiPhoneがいないですよね。
やっぱりiPhoneこれだけ普及してると言うこともあるので、だからこそ出来る仕組みというところだったりもします。
でも、あれがあるとだいぶ助かりますよね。私はパスポートにくっつけたりとか。旅に行く時は本当に5個ぐらいいろんな物に付けてますけど、 石川さんも使ってますか?
そうですね。やっぱり一番便利だなと思ったのがスーツケースで、トランジットする時、例えばハワイの離島にクアルコムのイベントがあってそれに行く時に離島のマウイ島に着いたんですけども、一向に荷物が出てこないと。どうなってんだと思ってAirTagで調べると、ホノルル空港に置きっぱなしとか。
最近だとそういった空港の係員さんも分かってくれているので、 もうそのiPhoneの画面見せて、「まだホノルルにあるから何とかしてくれ」ってお願いするとちゃんと次の便に乗せてくれるみたいな。それで1時間ぐらいで届くみたいな感じだったりするので、やっぱり便利だなっていうのがありますし。
例えば、デルタならデルタで追跡するサービスもあったりしますけど、でもそういうのが無い場合はそれがあることによってスタッフの負担も意外と減ってるかもしれませんね。
なので、スタッフの方は是非iPhoneを使って欲しいなという感じです。
調べられますしね。
あとね、飛行機から荷物を降ろして どれぐらいのタイムで来るかっていうのも、AirTagを見れば分かる時もあったりもするので、まあまあ色々便利だなっていう感じですね。
私は自分の会社のスタッフに自分の居場所を知らせておくためにAirTag共有しています。向こうが今ここからここに移動するので、っていうのがわかりますし、「もし何かあったら誰かに連絡を」みたいなことで共有のアドレスが送られてきたり。
結構それは微妙な使い方で。人を追跡していいんだろうかっていうのはサービスが出た当初に言われていて。
じゃあ例えば、気になる女性のカバンの中にポロッとAirTagを入れておくと、その女性の家が追跡できることも不可能ではなかったりするわけですよ。
あと、子供の居場所を知りたい。学校や塾に行く時にスマートフォン持たせないで AirTagだけ持たせるっていうのもありなんですけど、それもじゃあ本当にそれでいいのかっていうところで。
Appleが考えたのが、そういった知らない人のAirTagが近くにあった場合にはスマホに通知が来るようになっています。
許可をしていないものが近くにあると 不審なものがありますよっていう通知が来るようになってる。
なので、そういったストーカーされている可能性がある女性は AirTagを発見することができる。
さらに、AirTagの仕組み上、あれってひねることによって簡単に電池が取れるようになってるんですよ。それはストーカー被害から守るために外すようになっている。
あれが充電式の開かないタイプのものになっちゃうとどうすることもできない。電池捨てることもできなかったりもする。かなりプライバシーを考えられた仕組みにはなってる。
私もやっぱり信頼している相手で、かつ厳密に言うと彼女のパスポートだけが追尾できるようになってるので、彼女がパスポートを置いていくと見えません。本当にAirTagも便利な仕組みですよね。
エンディングトーク
Mobile Tech Lab。そろそろお別れの時間となりました。 石川さん、北さん、今日の放送いかがでしたでしょうか?
この番組をやってるとだんだん何が皆さん分からないというか、マニアックな話ばっかりしてて。いろんな方からフィードバックをもらえると、きっと僕らもネタを決めやすくなるのかなと思ったんで、是非コメントをいただけると嬉しいですね。
石川さん、いかがでしたか?
もうこの業界取材して長いので、何がみんな知っていて何が知らないのかっていうのがもうよく分からなくなってきてる。
中の人は分からないっていうね。
本当に中の人でわからなくなっているので、本当になんでもいいので、素朴な疑問でもいいので、お寄せいただきたいなと思いますね。