リンクマンが語る、着メロが儲かった時代のiモードの話|モバテク vol.031

石川温・弓月ひろみ・北真也がお届けする「モバテク」、2025年11月2日にBAYFM78で放送された第31回のアーカイブです。

コンテンツクリエイターのリンクマンをゲストに迎えて、着メロ職人だった時代のiモードについて語りました。

ゲスト「リンクマン」の紹介

さて、今週もですね、番組にゲストをお呼びしています。本日のゲストはコンテンツクリエイターのリンクマンさんです。

どうも、リンクマンです、よろしくお願いします。

ではまず、簡単にプロフィール、ご紹介します。

2011年より、iPhone・MacなどApple周りを中心に、あなたの欲しい知りたいをつなげるブログとして「Linkman」を立ち上げ、さらに、新しいチャレンジとして、ガジェットを中心に気になる話題をお届けする「Gadgetouch」をスタート。

その他、動画配信サービスの立ち上げや、アイドル番組などの制作・配信現場も経験しています。そしてこのGadgetouchですが、私、弓月ひろみも一緒に活動しています。というわけで、今日はよろしくお願いします。

何か不思議な感じですね。いつも弓月さんとやってるんで、リンクマン「さん」とか言われると。

今日はものすごく私のテンションが迷子になる回なので、ちょっと今までとは違う感じになる可能性が。

紹介されることはあまりないので。

今まで多分一度もない。

不思議な感じしてますけど、よろしくお願いします。

Gadgetouchめっちゃ聞いてるんで、不思議な感じがするんですよね。「あれ?なんで僕も一緒にいるんや?」みたいな。

と言うのと、弓月さんが全然違う雰囲気で。

いつもの弓月さんとまた違う。

どっちが本当なのか。

今日は「リンクマンはどんな人なのか」と、リンクマンが今までどうやってモバイルに関わってきたのかとか、そういったところも聞いていこうと思いますが。北さんは、はじめましてですか?

そうなんですよ。一応ブロガー仲間のはずなんですが、きっとすれ違ってはいるんですが。

同じ時期に多分やっているのですが、ちょっと会ってなかった。

多分同じイベントとか参加してるはずなんですけど。

共通の知り合いがいっぱいいるっていう感じではあるんですよね。

なぜか会わなかった。石川さんは何年くらい前からですか。

何年ぐらい前ですか?

僕らのイベントに最初に出てもらったのが、ガッツリって感じです。その前から多分取材でとかはあるんでしょうけど。

発表会でご挨拶したりとかは。

あるんでしょうけど、最初はほら。「石川さんだ!」と思ってたんで。

だから、その時はそんなに仲良くなかったじゃないですか。イベント出たりとか、あとちょいちょいなんか飲み会とかで、年末の忘年会で一緒だったりとか。それぐらいでかなり。

石川さんにはお世話になっております。大先輩っていう。

着メロ制作について

元々はこのブログを立ち上げる前に、動画配信サービスとかアイドル番組などの制作・配信現場。これは一体どういう…?

元々ブログを始める前とか、いろんなお仕事のお手伝いする中で、YouTubeももちろんあったんですけど、そういう動画配信サービスみたいなものを、そういうのの一つ、会社の立ち上げにちょっと参加をして。

その中で何かアイドル番組とかのお手伝いもしてたというか。若干ディレクションをしてみたりとか、そういうのも含めて、なんかそういうのもやってたって感じですね。

あとは実は着メロを作っていたという。

それは何年前ですか?

もう25年くらい前ですか。2000年ぐらいなので。

2000年だとiモードが。

まだ全然普通に全盛期。

1999年2月にiモードが一番最初に出てっていう感じですよね。その翌年ぐらいってことですよ。

僕がちょうど専門学校を卒業した後ぐらいに、着メロの制作会社みたいなところに入って。バイトでね、本当にカジュアルにやろうと思ったら、結構そこで長いことお世話になることになったみたいな感じではあるんですけどね。

iモードが出る前っていうのは、とにかく自分で端末に打ち込んで。着メロ本っていうのがあって、着メロ本をやってる人がめっちゃ儲かってたんですよ。

TSUTAYAとかのお会計のところとかに置いてありましたね。

で、iモードが出たことによってデータを配信できるっていうので、様々なゲームとかコンテンツが出始めて、音も増えてきたっていう。

だから最初は単音だったと思うんですけど、三和音・四和音とか増えていくっていう中で、僕がちょうど入った時には四和音が全盛期の頃で、結構大変だったんですけど、まぁいいお仕事でしたね。

着メロってどうやって作るんですか?

僕らの場合ですと、音楽のMIDIデータを作ってくれる人、市販のCDを聞いてMIDIデータを起こす作業をする人がいて、それを僕らがもらって着メロ用にコンバートするという作業があるんです。

専用のコンバート機械、ヤマハさんのMA-1とかMA-2とかっていう、FM音源内蔵のツールを使って、Windowsを使いながらやってましたね。

FM音源っていうのがいいですね。

ファミコンの音っていうのをちょっと想像してもらうと多分わかりやすいかな。

スーパーファミコンがPCM音源ですよね。

レコード会社が自分たちの音源でやってたというわけではなくて、CDを買ってきてそれを聴いて・起こして・配信して。

耳コピ。

ちょっと裏話的な話で言うと、レコード会社的には、着メロなんて流行んないと思ってたんです。だから全くやってなかったんですよ。

流行るわけがないから、レコード会社は自分たちでやろうという気がなかった。

全くそんなことをたぶんレコード会社の人は考えてもいなかった。

着メロサイトみたいな、多分皆さんご存知のいろんなサイトが出てくると思うんですけど、そういうのがブワーって出てきたことで、実はこれ、その後の事件にも関わるんですけど、レコード会社って、実は原盤権を持ってるんですけど、着メロはそれには当たらないので、お金が全く入ってこないんですね。

なるほど。

作詞作曲の人にはちゃんと権利があって使用料が入るんですけど、レコード会社には1銭も入らない。

「やばい潰れされる。」

ご想像に難くないと思うんですけど、それを見ていたレコード会社が相当頭にきてたんでしょうね。

一方で、配信する会社はどんどんどんどん儲かり、やれ六本木ヒルズにオフィスを構えたりとか、女子アナと結婚したりとか、そういう人たちがいて。

そういう人たちが周りにいたんですか?

本当にすごかった。いわゆるITバブルの中の一つですから。

リンクマンもめちゃくちゃバブル期だったって聞いてます。

いや、本当にいい時代でした。正直言って、僕らみたいな末端ですよ、はっきり言って。作ってる側なんて。僕らの会社は本当に少数精鋭でやってたっていうのももちろんあるんですけど、僕らにこんなにお金が入ってくるってことは…みたいな話ですよね。ということは、もっと上はそれだけって。

和音が増えるごとに倍になって行ったって言ってました、給料が。

すごい時代でしたね。

4、16、32、64。

まあ、さすがに全部倍は行かなかったですけどね。

でも例えば、1曲やる時って、64和音の曲だったら最初64和音作って、それを32にして、16にして、4にするみたいな感じなので、まあ楽といえば楽だったんですよね。

最初の四和音時代の方が本当に大変で、四和音しかないので。

僕らのやってたサイトは、非常に音楽的なことをものすごいこだわるっていうことをメインに考えていたところで、ベースとドラムは外せない。で、ベースとドラムっていうか、そもそもドラムって何だ?っていう話なんですよ。ザーっていうノイズを、それを長さを変えることで、スネアやタム・キック・ハイハットっていうのを表現するっていうのをやってた。それだけで、ドラム音を1トラックでやる。

ボイパみたいな。

ベース音もちゃんとやると。いわゆるクラブミュージックとか結構よくそのサイトでは取り扱ったんで、ベースがダメだともう全くその曲にならないっていうことなので、そこにものすごいこだわる。

あと主旋律があるじゃないですか。そうなるともう残り1個しかないんで、その1個をどういうアレンジをするかみたいな。どの音を取ることによってこの曲っぽくなるかとか、コードっぽく聞こえるかとか。ベースとの絡みで、その音楽の持っている一番大事な要素を引き出せ、みたいなのを、ものすごく言われてまして。それで、もう泣きながらやってましたね。

多分今この番組を聴いているリスナーの中には若い方が多いので、着メロっていうのは人に聴かせるものだと思ってる人もいるかもしれないんですが、この時の着メロは自分の携帯でしか鳴らないんですよね。自分のところに電話がかかってきたら、その設定したものが鳴るっていうことだけなので、自分の携帯の音のために結構みんなお金を払ってたんだなっていう。

月々300円ですよね。もちろん100円のコースと300円のコースが僕らのところにもあって、300円だと10曲ダウンロードできる。月に10曲ダウンロードできるっていう。

僕らはこだわりがめちゃめちゃ強かったので、四和音なのに四和音に聞こえないっていう風なのをよく言われてたんです。

リッチに聞こえる?

「まさかこれ四和音なの?」みたいな感じで言われたのが、そういう意味ではすごい評価が高かった。一部のところでは非常に評価が高かったので、毎月毎月、会員数が10万単位で増えてた覚えがある。

iモードのメニューに入る重要性

iモードのメニューって、画面がちっちゃいから、上から何番目に入るかって結構重要だったじゃないですか。

すごい重要でした。

だから次のページに行ったらもうアウトだし。リンクマンのところは何位くらいに居たんですか?

トップ10には入ってました。トップ10に入ってないと無いのと同じぐらいの、いわゆるGoogleとかと一緒ですよね。検索の最初のページに出てくる。

トップ10は着メロとしてトップ10?

着メロのディレクトリ(カテゴリー)みたいなのがあって。1位とかはJOYSOUND。僕らはその中でも結構上位にいたし、多分最高でも5位とかぐらいとかまでは行ったんじゃないかな。ほとんどカラオケの大手みたいなとこだったんですけど。その時はやっぱりすごい会員数だったみたいです。僕らも数字まではね、ちょっと末端だったので、わかんないですけど。

石川さんはそういう、モバイルのいろいろなコンテンツも取材はされてたんですか?

してましたよ。だから一番最初のiモードが出た時とかも、全部そのコンテンツの画面撮って、一覧にしたりとかしてましたし。

写真で撮ってたんですよね。

スクリーンショットがない時代。

全部カメラマンさんにお願いして、一枚一枚撮ったりとかしてましたし。それ全部並べたりとかして、当時iモードとEZwebがあって、それをなんかすごい並べたんですよ。

そしたら、iモードの方がちょっと全体的に少なかったんですよ。それ載せたらもうドコモにめっちゃ怒られて、「iモードは質なんだ」と。「こんなEZwebみたいな、単にコンテンツ買ってきて集めたのとは違うんだよ」って。めっちゃ怒られた記憶ありますよ。

でもそれで、記憶しています。やっぱりね、あのディレクトリに入るのが大変だっていう。ドコモのその審査が非常に厳しい。

でも確かにドコモは質がいいっていう印象ありましたね。

だから勝手サイトみたいな言い方で別のものがあったりはしましたけど、やっぱりドコモのあそこに入るっていうのは一つ大きなポイントだった。

競争が激しいからコンテンツの質が上がってくっていう感じになってくる。

モバイルのキャリアの皆さんが提供している公式と、他の人たちが勝手に作っている勝手サイトっていう形で分かれてたんですね。

でも、ほとんどの方が公式を使っていたっていう時代だったとは思いますけどね。

勝手サイトを立ち上げたみたいな方は、多分この界隈の人にはいるとは思いますけど。

着メロ時代の終わり

面白かったのはやっぱり最後ですよね。着メロが終わる時、というのがあるんですよ。

僕らの同じ世代の方はわかると思うんですけど、「着うた」っていうものが出てくるんです。これは普通に音源をカットして携帯用にするっていう。それが着メロになるっていうことで、これが出てきた時に、今までずっと歯がゆい思いをしていたレコード会社さんたちがみんなで結託しまして、レコチョクっていうのを作ったんですね。

その名前にもう誇りがかかってるというか。

だから、本当に嫌だったんでしょうね。当時からするとやっぱり。本当に1銭も入ってこないというのは、やっぱりレコードメーカーからすると本当に悔しかったんだろうなというのはありますよね。

きっとねその業界の中でもすごい何度も度重なるミーティングというか、あったんでしょうね。

すごかったんだと思いますけどね。どう考えたってそんな仲良くない人たちが、でもそこを何とかしようって思ったわけですし。

それによってやっぱり僕らはね、当然ですけど本当に下火になって。もちろん僕らのサイトも着うたをやるんですよ。ただ、やっぱり勢いが違うと言いますか。権利関係なんでね、どうしてもOKが出ないとかって、いろんなこともあったりはしたんで。もちろん着メロ時代ですけど。

着メロの権利関係

権利関係ってやっぱりすごい難しいなと思ってて。アーティストがNGを出すケースもあったんですね。すごい人気が出ちゃって、「ちょっと止めてくれ。」「僕らは着メロを流したくない。」

人気が出ちゃって止める?

アーティスト側が。「僕らは着メロにしてほしくない。」配信を拒否するっていう方々がいて。話し合いをしたんだけど、結局ダメでみたいなのはありました。

「最初から最後まで曲を聴いてくれよ」とかってのがあるんでしょ。

多分そうだと思います。

短いループにされるのが嫌だとか。

逆にすごい喜んでくれるアーティストの方もいて、m-floの☆Taku Takahashiさんは、実は来てくれたんですね。うちの会社に来てくれて。

g.O.R.iさんに続いて二度目の☆Taku Takahashiさん。

でも本当にそうやってm-floの曲、結構こだわって僕らも作ってたりしたんで、それを聞いたご本人が、「すごい」って言ってくれて、会社まで来てくれたらしい。なぜか知らないけど、会えませんでしたけど。ペーペーは会えないんですね、やっぱそういうの。

着メロ以外のiモードのコンテンツ

この時期っていわゆるガラケー向けのコンテンツが、ものすごい花盛りの時で、占いとかすごいいっぱいありましたね。

占いはすごかったです。うちの勤めてる会社も占いと着メロがものすごかったので、そこ2つが引っ張っていってるっていうような話を聞きましたね。

占いも今と比べたらすごくお金をかけた分に対する情報量、わりと少なめの。

めちゃめちゃ少ないでしょ。テキストでちょろっと流すぐらいでしょう。

キロバイトの情報というか、ちょっと来るぐらいでしたけど。

すごいブームでしたよね。占いって今でもそうなんでしょうけど。

北さん使ってました?

占いは使ってなかったですね。

占いサイトとか、あとね。待ち受けの画面。

ゲーム。あとはニュース。

本当にコンテンツを見るためにサイトに全部登録しないといけなかったので、くまなく情報を取ろうとすると本当に、数千円分課金されるっていう、そういう時代でしたね。

ただ、やっぱりね。300円とかが電話代と一緒に請求されるって、めっちゃ便利な仕組みで。コンテンツ提供する側は取りっぱぐれがないというか、確実に回収できるじゃないですか。あれによって日本のコンテンツ屋さんは盛り上がったなあって感じはしますね。

その後にiPhoneが登場して、App Storeができた時に、買い切りっていうのが斬新だっていう風に日本人は思ったわけですよね。月額じゃない。でもそれが数年経ってまたサブスクに戻っていって、iモードの時代に戻ったなっていう気がちょっとしてます。

スティーブ・ジョブズも言ってましたけど、iモードはものすごい参考にしたというふうな話があるぐらい、やっぱりすごい進んでた仕組みを、やっぱり日本はとってたんだなっていうのを思いますよね。

このiモードが2026年の3月31日、来年に終わると。これがFOMAとともに終了ということですよね。なので、ここまで結構知らずにまだ課金をしてる人がいるかもしれないっていう。

いやだからほんと確認した方がいいんじゃないかなっていうくらいの感じで。コンテンツのお金を回収する仕組みはいいんですけど、一方で、ユーザーからすると忘れるとずっとね、チャリンチャリン課金され続けるし、多分そこに甘えていっぱい稼いでるコンテンツプロバイダがいるんじゃないのかなっていう。

それも3月31日まで。私も最近まで課金されてたものに半年ぐらい前に気づいて止めました。

遅いですね。だいぶ遅い。

全然ログインしてない。mixiにお金を払い続けてたりとか。

いや、でも未だにかなりいらっしゃるんじゃないですか?対応機種を持ってないとか、解約の仕様がわからないとか。例えば、もう全然そういう年齢が上の人とかだと、何に払ってるかわからないみたいな人も多分いらっしゃると思うので。

紙で請求書が来なくなってるんで。

ほんとにそうだと思うんですよね。

エンディング

Mobile Tech Lab。そろそろお別れの時間となりました。今日の放送いかがでしたか?

いいんですかね?着メロの話に終始しましたけど。

楽しかったです。

良かったです。

なんかちょっと懐かしの話で。やっぱり結構いろんなところで着メロやってたっていう話をしてるけども、ここまで深い話はあんまり。

まああんまりしないですよね。あんまり分からないじゃないですか。普通の人がこれを聞いたところで。今日皆さんやっぱモバイル系の方がってなるとやっぱり色々喋りたくなりますよね。

その時代を生きてきましたからね。あと皆さんに今日の感想を一言いただきたいんですが、北さんいかがでしたか?

Gadgetouchのお二人の話を、間近で聞けたのが一番楽しかったのと、あといつか実は「着メロ・着うたの話したいね」って言ってたんですよ。今日それが叶ったんでよかったなと思いました。

私でよかったんでしょうか?

いや、完璧でした。

ありがとうございます。

石川さんいかがでしたか?

本当に取材していて、そのタイミングで、新製品が三和音だ四和音だっていうのを追ってたので、その裏側にいた方に会えてよかったなみたいな。裏側でめっちゃ儲かってるって人がいるっていう、そっち側に行けばよかったな。と思いました。

はい。本当にまた来週の話も楽しみです。

ラジオで流した楽曲

One More Time / Daft Punk