石川温・弓月ひろみ・北真也がお届けする「モバテク」、2026年1月4日にBAYFM78で放送された第40回のアーカイブです。
前回に引き続き今回も山根博士をお招きして、2026年のモバイル業界を予想しました。
目次
オープニング
新年明けましておめでとうございます。番組パーソナリティの弓月ひろみです。Mobile Tech Lab。この番組は最新のモバイルテクノロジーを学びながら、これからの生活をちょっと豊かにできたらという番組です。皆さんも「こんな未来になったらいいなぁ」を一緒に考えていきましょう。
そして、私と一緒に今年も番組を進めてくださるのはこのお二人です。
明けましておめでとうございます。スマホケータイジャーナリストの石川温です。
明けましておめでとうございます。INNOMO代表の北真也です。
お二人とも今年もよろしくお願いいたします。そして、今年最初のゲストはこの方です。
明けましておめでとうございます。携帯電話研究家の山根康宏です。
博士、新年からいらっしゃいませ。新年早々ありがとうございます。
折りたたみのiPhoneは出る?
では今日は博士も交えて、2026年のモバイル業界を予測するというところでお話ししていこうと思いますが、石川さんまずは今年のモバイル業界どんな感じになりそうですか?
やはり皆さんの一番身近なところでいうと、端末の進化なのかなというところだと思います。いろんな噂がすでに出ている中で、やはり注目なのはiPhoneから折りたたみが出るのかどうかというところなのかなと。
ネットの噂では「出る出る」というふうにかなり言われてますし、さらには去年iPhone Airと呼ばれる超薄型化の端末が出てきたと。去年の流れを見ると、SamsungのGalaxy S25 Edgeという薄型端末を出し、その後にかなり薄い折りたたみスマホのGalaxy Z Fold7を出したという流れがあるので、Appleもいよいよ折りたたみ出すんじゃないかというふうには言われています。
とはいえ「はて、どうなんだろう」というところで、なかなか様々な見方があるのかなというふうに思いますね。
博士いかがですか?
ずばりハードウェア的には出せるとは思うんです。ただ、まだ早いかなという気がして。折りたたみスマートフォンというものが残念ながらまだまだ認知されていないというところがあります。やはりAppleとしてはもちろん、それこそiPhone Airのような新しい端末を出して市場を切り開いていくというところがありますが、一方で既存の折りたたみ端末、Android陣営とはいってもグローバルではAndroidはシェアありますから、それでも伸びていないということは何か原因があると。
それを考えると、Appleがここに投資をするのはちょっとまだ早いか、危険かなという気もしないでもない。
そしてもう一つ、やはりSamsungが三つ折りを出したことで「折りたたみは二つ折りでいいんだろうか」みたいな話もあるかもしれないということで、我々ジャーナリストも「出るの・出ないの」という感じで分かりません。
去年の前半ぐらいまでは「出る」というのはかなり濃厚だったのかなって気がしたんですよ。ただ、去年出たGalaxy Z Fold7があまりに薄くて、相当な進化をしたっていうのがある中で、非常によくできた折りたたみになっていて。
その後に出たPixelの10 Pro Foldが、まあ、やぼったく見えてというか、厚いし、「これって何世代前よ」と思えるような、実はそうじゃないんですけど、あまりに悲しい状況を招いてしまったんですね。
Pixelレベルの折りたたみをAppleが出すとなると、相当ボロクソ言われるだろうなというところがあるので、GalaxyがAppleの折りたたみを出すハードルをかなり上げたなという気はしています。
じゃあ「もしかしたら出るかもしれないかもね」だったけど、この出来の良さを見ると、これと釣り合うものをマーケットに出していくのはまだ先じゃないかなということですかね。
Appleが折りたたみを出せば一気に折りたたみ市場が広がるとは思うんです。ただ、そのためにはやはりGalaxyレベルのものを出さないと絶対言われますよね。Appleユーザーとしてみても、皆さんに自慢しようとした時に「あれ?そっちのほうがいいんじゃない?」ってなっちゃいますね。
本当これは、どこまで今Appleが詰めてるかというところで、死にものぐるいでやっていれば出るかもしれないんですが、とはいえGalaxyも進化するんですよ。だからね、本当にこればっかりはなかなか分からないという感じです。
マーケットを見た時に、リスクを取ってでも出す必要があるかとか。Appleに関してはiPadでは本当にタブレットで独占してますから、そこを無理する必要はないんじゃないかなという気もしますね。
一つの考えは折りたたみのiPhoneを、いわゆるハイエンドというか、超高性能タブレットみたいな、「iPadではない、iPadにもなるiPhoneにもなる。でも2台買うより安いよね」というような立ち位置にすることですね。多くの人はさらに、ほかのiPadなりiPhoneを買うと思うんですけど、そういった高い価格の端末にすればありうるかもしれない。
単純な今のAndroidの折りたたみ的に出すと市場を食い合っちゃうので、どのような端末として出すか、Appleのラインナップの中でどう位置づけるかが重要です。何せタブレットが一番売れてるのはAppleですから、本当に難しい、これはという感じです。
だから本当にAppleが折りたたみを出すとするならば、折りたたんだ状態の外側のディスプレイはiPhoneとしてiOSとして動き、開いたらiPadOSとして動くみたいになったら、非常に使い勝手いいだろうなと思いますね。
2026年の日本メーカーのモバイル端末
2026年初回の放送ということなので、その他の、例えば日本のメーカーのモバイル端末などはどうでしょう?石川さん。
そうですね。日本メーカーで言うと、やっぱり元気なのはシャープだったりもするので、シャープは非常に底堅いのかなと。AQUOS sense 10が非常に人気というのがある中で、とはいえ日本メーカーの課題としてあるのは「ハイエンドをどうしたらいいのか」というところです。
端末の価格が上がっていて、円安で部材の調達も結構きついという中で、シャープはハイエンドのチップではなくてSnapdragon 7シリーズのチップを載せてハイエンドって言ってたりもしますし、FCNTもそういった形で若干落としたチップでハイエンドって言ってたりもするので、ハイエンドで戦うのが厳しくなってるのかなと。
ソニーとかもXperiaは去年厳しかったりもしたので、もうちょっと日本メーカーが頑張ってほしいなっていうのがあったりしますね。
結構シャープはご年配の方に売れていたり、安い端末として非常に導入の敷居が低い印象がありますね。
そうですね。あと今年で言うと、3月でドコモの3Gサービスが終わるので、あそこを使っているユーザーをどう巻き取るかというところで、結構日本メーカーとしては需要があったりするのかなって気がしますね。
北さんによる2026年モバイル業界予想
北さんは今年のモバイル業界、どうなると予測していますか?
そうですね、いくつかあるんですけど、やっぱり一つは「ずっと電波が使いづらかった状況」が今年だいぶ改善するんじゃないかなとは見ています。一つ言えるのが基地局って撃とうとすると、どこに撃つかで実際交渉して場所を借りて、それをさらに工事で…というのをやっていくとかなり時間がかかるんですね。
問題がクローズアップされたところから半年〜1年ぐらいは改善に時間がかかるという特徴があるので、それがそろそろ効いてくるんじゃないのかなということで、2026年「つながりにくい」という状況は改善するのかなと思っています。
じゃあ、いろいろ溜まって、今頑張っているところがようやく解消されるフェーズに入る。
入っていくと思います。あともう一つが5Gのエリアの撃ち方みたいなもので、今までって「5Gにとにかく早く行きたい」というので、4Gと同じ周波数の電波を一部4Gから5Gに転用する形でエリアを作っていたので、4Gも5Gもそれでつながりにくい、みたいな状況になってしまうというジレンマに陥っていたところがありました。
今後はもっと5GのSub6といわれるようなものをもっともっと撃っていくことで、とにかくどんどん5G側のほうのトラフィックを広げていき、5Gも4Gもスカスカにしていこうという動きになっていくはずなので、そういった基地局の撃ちち方を各社やっていくんじゃないかと。
NTTドコモが今すごい必死でやられているというお話を伺うので、だいぶ改善していくんじゃないのかなっていうのを2026年、一つ大きなテーマかなと見ています。
もう一つが衛星がもっと来るんじゃないかなと。去年はStarlink Directでauが一社で掻っ攫っていった感があるんですけど、他の会社も含めてもっと各社衛星のラインナップっていうのが増えてきて、「電波がつながらないときには数Mbpsしか出ないかもしれないけど、Starlink Directぐらいの感じで使える衛星」というのが他のキャリアからも出てくるんじゃないかなというふうに見ています。
すごくワークスタイルも多様化して、都心だけではないところでの働き方みたいなことも提唱されてきたので、いろんなところで早くつながるっていうのは大事ですよね。
そうですね。あとはやっぱり5Gのユースケースがもっとこれから増えていく。今までは4Gよりちょっと早いくらいの回線速度みたいな扱いだったのが、ミリ波と呼ばれるものが広がってくれば、今まで使えなかった何Gbpsみたいなスピードが出るようになるので、もっとスマホでできることが変わってくるのかなというのがあります。
各社が5Gのネットワークを強化していく中で、同時に5Gのユースケースとして、今まで使っていたよりもスマホの使い方がまた変わってくるっていうのが今年来るんじゃないかなというふうに見ています。
博士は以前から「真の5Gの時代はまだ来ていない」みたいなことをおっしゃってましたけれど、今年は真の5G時代が来ますかね?
グローバルではだいぶスタンドアローンも広がってきてるし、日本もようやく2026年からそのあたりの動きが活発になるのかなとは思っていますね。
2026年のキャリアのプラン予想
石川さん、キャリアのプランに関しては今年どうなっていくでしょうか?
去年いくつかのキャリアは値上げしましたけど、値上げをしたことによってだいぶお客さんが逃げたところもあれば、なかなか苦戦を強いられたところも多かったのかなと。
一方で値上げをぐぐっと我慢したところはお客さんがいっぱい来た、という状況になっていたりもするので、やはり分かりやすい構図になってるのかなと思います。
なので今年は、そういった値下げ競争もやめて、もっと「分かりにくい形で料金改訂」していくんじゃないのかなというふうには思います。
どうしてもキャリアさんとしては、分かりにくくした方がユーザーの減りを防げたりとか、そういったところはどうしても発生してしまいますね。
銀行を去年傘下に収めたようなキャリアは、銀行をベースにいかにお客さんに逃げられないようにするかというところが重要になってくるでしょうし、今は金利がどんどん上がってるので、銀行としてはできるだけ預金を集めたいフェーズにあります。
なので、去年auの料金プランは「50万円口座に入れておくと毎月500円あげますよ」といったことをやってたりもするので、他キャリアの銀行を持っているところは「預金を預けるとポイントもらえますよ」といったようなことが、多分トレンドになってくるんじゃないのかなと思いますね。
いわゆる証券の囲い込みというか、ECサイトがあって銀行があってポイントもあって、というところが強くなっていく。
ベースは今までポイントがメインだったんですけど、あれが本当に預金の残高にもなるし、証券にもなってくるし、というところで、どんどん囲い込まれていくというか、流動性が落ちてくるのかなと思いますね。
博士は日本だけではなく、いろんな海外で取材されていると思いますけど、銀行があってとかポイントがあってっていうのは日本だけのものですか?
比較的近いのは韓国に似たようなのがありますけど、やっぱり日本はポストペイドが多いとか、銀行システムがちゃんとしてるというところがあって、他の国が簡単には真似できないというか。
例えばアメリカもキャリアビジネスと言いながら、移民の人たちが多かったりして所得の格差が下の方が非常に広いとかありますから、やはりこれは日本独自。まあ一番近いのが韓国かな、そんな感じですね。
そうなると、やっぱり発表された端末のすべてが日本で発売されるわけではない、というところにもそれは関わってくるんですかね?
やっぱり海外はキャリアさんのほうで魅力あるサービスってなかなかできませんから、となると端末のほうでお客さんにアピールする。だから端末メーカーも次々に出すというところがありますよね。
日本はどちらかというと端末もそうだけど、まずはサービスを売るというところが重視ですから、そのあたりちょっと違うかもしれないですね。
博士が2026年注目している端末
博士はこの後MWCであったりとか、いろいろなところに取材に行かれると思いますが、今年発表されそうなもので注目している端末はありますか?
まず、今年の動きとして2つあって、一つがバッテリーの大容量化、シリコンカーボンバッテリーですね。ちょうど去年の12月にXiaomiから日本でもREDMI 15 5Gって出たんですけど、7,000mAh。これすごいなと思うんですけど、中国メーカーでは7,000mAhはもう普通なんですよ。今8,000mAhが出ています。そして今年はついに1万mAhになるだろうと。
安全性のほうは各社が電源管理のチップを作ったり、充電速度をコントロールしたりとか、単純に大容量だから危ないとは言えないようにしっかりと管理しています。おそらく今年の年末は1万mAhの端末は日本でも出るかもしれないですね。
モバイルバッテリーが端末になっているみたいなイメージですね。
もう一つがカメラの進化。これは逆に言うとそれしかやるところがないかもしれませんね。Android陣営はAIは自分たちの部分もありながら、半分以上はもうGoogleのGeminiを使うというふうになっていますから、AIに関してはAppleがなかなか苦戦してましたけど、Android陣営はむしろそのあたりもGoogleに任せる、OSに任せるという感じですね。
カメラのほうは例えばデュアルペリスコープカメラ、望遠が2つともいわゆるプリズム型。これが去年ちらほら出てきましたし、今年はもう完全に億画素のカメラが2つとかですね、やばいことになるのではないかと。XiaomiがMWCでXiaomi 17と呼ばれる端末を出すと言われていますが、これがおそらく今年一番のカメラフォンになるのではないかと言われています。
それぐらいカメラの進化が進む中、HONORというメーカー、もともとHUAWEIにありましたが、それが去年発表したROBOT PHONEという、スマートフォンの裏側にいわゆるジンバルカメラ、Osmo Pocketみたいなものが収納されていて、ロボットみたいにカメラがニョキッと出てくる端末があります。これを2月に発表し、発売もすると言ってるんですね。
アームが伸びてくるみたいな。
これを例えばAIと絡めて、そのアームがこっち向いて首を振ったりしてくれる、単純なカメラじゃなくてロボットみたいになるという。これがもし本当に発売されたら、この時点で2026年の変態No.1はもちろん、記憶に残るスマホNo.1になるんではないかと。これは争奪戦になると思うので、私もいくら貯めればいいか分かりません。
価格は大体出てるんですか?
出ていませんが、あえて高くするでしょう。だって欲しいもん。
買いに行きますか。
買いに行きますよ、深セン並びますよ。みんなで並ぼう。
モバテクで。
そうしたら一人ちょっとトイレ行ったりとかできますしね。なぜか日本人がROBOT PHONEを買いに来る。そうするとね、番組のプラカード持ってると宣伝にもなりますから。これはいきましょう、現地から生配信みたいなね。
でもすごく不思議な形ですよね。今ロボット掃除機でもアームが出てきて荷物をどかしてくれるみたいなものも出てきてますけど、本当に同じような、何もない平らな背面からニョキッと出てくるっていうのはかなり不思議な雰囲気です。
これはやっぱり掃除機も含めて、中国がなんだかんだ言っていろんなものを開発して作ってるという。今インドとかベトナムにも行ってますが、とはいえじゃあ大元で開発してるのはどこかっていうと中国で、そうやって小さく動くモーターとかが出てきて、それをスマートフォンに載せたらいいんじゃないかって思った時に、もうモーターがある、みたいなね。
このあたりはハードウェアの進化という点では中国はこれからしばらくモバイル業界をリードしてくるのかなという気がしますね。
やっぱり部材があって、すぐそこに工場もあって、すぐ企画というかアイデアを形にできるという環境がありますよね。
そこは日本も本当は再び頑張ってほしいところですね。
石川さんが2026年注目している端末
石川さんは今年一番注目している端末・メーカーとしてはどこになりますか?
それで言うとソニーに頑張ってほしいなっていうのは非常に感じています。
ちょっと2025年はあんまり聞かなかったですね。
ただ、Xperia 10 VIIはガラッとデザインを変えてきて、かなりいい端末に仕上がっているので、「一度成功すると結構保守的に同じデザインを貫く」ソニーが、去年の10に関してはガラッと変えてきた。多分ソニーの中で変える雰囲気が出てきたんだろうなというふうに感じてます。
ソニーはカメラの技術を持っているので、カメラ好きが納得できる、中国メーカーには負けないXperiaというのを作ってほしいなというのは思っています。
ソニーはコンテンツクリエーターに対するプレゼンスが非常に上がっているなという印象があるので、本当にYouTuberとかが使いやすいみたいなものが出るといいですよね。
そう、本当はね。スマートフォンだとiPhoneがその市場を取っているし、一方でアクションカムだったらDJIとかが取っていたりするという中で、もっとカジュアルなクリエーター向けのソニーのデバイスってVlogカムとかもありますけど、そうじゃなくてっていう市場をXperiaが作ってほしいなと思いますね。
結構動画コンテンツ作られている方は、メインのカメラはソニーって人が多いので、「ソニーのカメラとiPhone」ではなくて「カメラもスマホもソニー」っていう。
そこは頑張ってほしいですね。
そこはいろいろと注目していきたいところでもありますね。
本当に今年1年、モバテクでは最新の情報や変態情報などを網羅していきたいなと思っています。皆さんもぜひ自分が「今年はこういう端末が欲しいな」とか、「こういう話題を取り上げてほしいな」みたいなことがあれば、ぜひメッセージ送っていただきたいと思います。
エンディング
Mobile Tech Lab。そろそろお別れの時間となりました。新年初の放送でしたが、石川さん、北さん、そして博士、今日の放送いかがでしたか?
そうですね、やはりなかなか情報がない中、なんとか今年を予想する番組ができたかなというところで、ほっとしている感じですね。
北さんいかがでしたか?
今日も博士に来ていただけて、2025年は博士で終わり、2026年は博士で始まる。最先のいいスタートが切れたなということで、今日も来ていただいてありがとうございました。
博士いかがでしたか?
今年もね、最新のみならず変態端末を追いかけますので、またぜひ呼んでください。
博士には今年もたくさん出ていただきたいなと思います。
