石川温・弓月ひろみ・北真也がお届けする「モバテク」。2026年2月1日の第44回放送のアーカイブです。
ラスベガスで行われたCESに弓月ひろみさんが行ってきたので、会場の様子を伺いました。
目次
オープニング
さて2月3日、もうすぐ節分ですけれども、皆さん節分って何かされますか?
豆まきとかやらないんですけど、恵方巻きは年によってはやるかなみたいな感じです。
石川さんは?
そうですね、まぁ、子どもがいるので豆まきはしたいなと思っている感じですね。
結構豆まきの後のお掃除が面倒だったりするんですよね。
だから最近小分けの袋になってたりするじゃないですか。あれでごまかすみたいな。
何かちょっと風情的にはどうかなぁと思いつつ。
とりあえず豆をまいたっていう事実を作るっていう。
それはあるかもしれません。私も同じように袋入りの豆をまいたりしています。
CESレポート
さてこの番組では最新のモバイルテクノロジーを学んでいくということで、私たちが持ち寄った今注目すべきモバイルテクノロジーをご紹介していきます。今日のテーマを石川さんお願いします。
弓月ひろみのCESレポート。
ありがとうございます。CES行ってまいりまして。石川さんは2026年は参加せず。
はい。そもそもね、CESというイベントが毎年毎年、1年の最初のタイミングでアメリカ・ラスベガスで行われていて。
元々は家電ショー。コンシューマーエレクトロニクスショーというふうに言っていて、家電の見本市になっていて、アメリカのさまざまな場所から家電を取り扱う人たちが集まってきたというショーだったんですけども、だんだんだんだんいろんな巨大メーカーが参入し、一時は車メーカーも入りというところでね、その年のテクノロジートレンドが知れるイベントになっていったという感じです。
私もフリーランスになって10数年以上ずっと通い続けていたんですけども、今年は行くのやめたという感じになっていて。でそんな中、弓月さんが行っているので、じゃあ何があったのかというところを今日は私自身も聞きたいなと思ってます。
キーワードはフィジカルAI
今年はですね、やっぱり何と言っても「フィジカルAI」というキーワードが結構大きく出ていて。つまりAIの入れ物としての形っていうことなんですけど、そうなるともうロボットですね。
多分皆さんSNSのタイムラインなどでも2足歩行のヒューマノイドロボットが踊ったりぐるぐる回ったりしているのをご覧になった方も多いと思うんですけれども、LVCCという「ラスベガスコンベンションセンター」あとはベネチアンというもう1個の展示場があって、ラスベガスのいろいろなところで展示場があるというイメージになるんですけど、LVCCのNorthという結構大きめなところがほとんどロボットで占められるような状態になっていましたね。
だからヒューマノイドロボットがあっちにもこっちにもという感じで、デモンストレーションはすごく華やかな印象でした。
今までAIっていうと、それこそブラウザ上でカチャカチャやってそれで答えを出してもらうとか、絵を描いてもらうとか、プログラミングするっていう感じでしたけど、それをもっとリアルのものに落とし込むっていうのがフィジカルAIで、それがロボットというところで。
今までなかなかCESってAIが盛り上がってるって言ってもモノとしては全然出てなかったのが、おそらく今年そういったロボットという形で、AIと組み合わさったっていう感じなんですかね。
そうですね、あとは家事をするロボットというものが、今までいろんなところで発表はされてきたものの、実際に動いてるものがブースに出てくるというのはあまりなかったんですが、今年はLGがCLOiDという家事をするロボットを出してきたりとか、SwitchBotがonero H1という家事をするロボットを出していたんですけれども、それに関しては実装はちょっとかなり程遠いというか。
洗濯物1枚畳むのにものすごいスローモーションな感じになっているので、まだちょっとそれが私たちの世界に導入されるというのはイメージしにくいかなというのはありました。
一方で車メーカーとして有名なヒョンデ。ヒュンダイっていう言葉の方がみなさん耳慣れてるかもしれませんが、今年ヒョンデグループの一員になったBoston DynamicsのAtlasというロボットが、すごく脚光を浴びていて。車はもうほとんど脚光を浴びずという感じでした。
一時CESって車が盛り上がっていて。自動運転だとかEVだとかって言ってたんですけど、今年のCES、日本から参加した自動車メーカーがソニーホンダしかなくて。
かつてはトヨタも出てたし、あとホンダもHonda 0っていうEV発表とかしてたんですけど、おそらくですけども去年のタイミングでJapan Mobility Showがあったので、そこに自動車メーカーとしては全力投球していたというのもあります。
あとトランプ関税の影響もあり、自動車メーカー、アメリカで売れるの?売れないの?って話もあったので、若干CESは手を引いた感じもあったりするのかなっていうところはありますよね。
そうですね、で、ヒョンデに関しては今までは実戦投入される前のロボットだったもの、研究タイプだったものを、車を作る工場で使われるロボットとして導入しますよという発表でした。
すごく印象的だったのは。ロボットと共生する社会。人間が中心なんだけれどもロボットがそれを支えていくっていうことを我々は大きく掲げますという形で、もうヒョンデのブースというよりは本当にBoston Dynamicsのブースというぐらいの形ですごくビジョンと見せ方っていうのが重要視されている印象がありましたね。
Boston Dynamicsはヒョンデの傘下に入って輝いたって感じなんですかね?
そうかもしれませんね。
かつてはソフトバンクが持っていたんですよね。だから、元々結構ねあそこBoston Dynamicsって軍事的に使われるんじゃないかみたいな感じがあって。
ソフトバンクもいち早く目を付けて出資して子会社にしましたけども、ソフトバンクとしては何か扱いきれなかったというか、価値を上げられなかったっていう中で、それをねヒョンデが8割ぐらいたしか出資して、まだソフトバンクも一部出資してるんですけど、ヒョンデと組み合わさったことによって車の工場の中で活躍するロボットが出たりとかっていう、ようやっと道が開けたって感じです。
活路を見出したという感じなのかなということと、やはり人間のサポートをするロボットというところで、力技だったりとか細かいところとか、人間が入れないところに入っていくという意味でのロボットの活躍っていうのがすごく一番わかりやすかったのがヒョンデかなと。
ただ一方でさっき言ったような家事ロボットというのが注目されてはいるものの、結構私も現地で思ったのが、洗濯物を畳んでくれるよりは重いものを家の中で持ってくれたり、あとは本棚ちょっと動かしたいとか、Amazonの段ボールを畳んでほしいとか、意外とそういうことの方が多分家の中で必要になるので、車輪型のものよりは2足歩行のAtlasみたいな産業に作られたものの方が家の中には合うんじゃないかなと思ったりしましたね。
ただじゃあ何年後よって話ですよね。
何年後になるのかというのは、事故が起きた時に、人間が転ぶよりもロボットが転ぶ方が大事になるわけなので、そこの安全性をどう担保するのかっていうところは今まだかなり不透明だなとは思うんですが、まぁとにかくその中国勢のヒューマノイド出展がすごくて。
本当にぬるぬる踊ったり動いたり物を取ったりボクシングしたりっていうところのパフォーマンスの見せ合いみたいなところになっていて。
そこは結構「あれ?アメリカと中国の関係ってどうなってたかな?」なんてことを思うぐらい、今回40%ぐらいが中国企業だったというふうに聞いていますので、ビジネスは別なのかなと思ったりしましたね。
政治的には緊張関係ありますけどね、まさにビジネスのベースでは何気に仲がいいというか。中国企業としては、出身は中国なんだけど本社をシンガポールに置いてみたりとかしてちょっと違う感じに見せてアメリカが進出するっていうパターンだったりするでしょうし。
まぁいかにGoogleとかに買われるかってところが多分狙いだったりもするというところだと思うので、そういった場にCESがなりつつあるんだろうなって気がしますね。
注目されていたSamsung
あとはやはり注目されてたのはSamsungで、それこそ3つ折り携帯はアメリカでは初っていうところだったので、それを見るために多くの人が詰めかけてたんですが、ブース自体は本来のLVCCにもベネチアンにもない、ウィンというホテルの中に別のホールと別の会場を作るという形になっていました。
しかも7日ぐらいで終わってしまってるんですよね。最終日まで展示をしていなかったので、結構皆さん巻きで一生懸命並んで見に行ったっていう人が多かったみたいです。でもやっぱりすごく話題にはなっていましたね。
ずっとSamsungってメイン会場で巨大なブースで出していたのが、それをやめたっていうのも結構衝撃的というか。
ただそういったブースだとどうしてもいろんな制約もあるし。あとねプレスカンファレンスの日とかも。本当に時間が決められていて、そこを伸ばせないとかっていうことがあるとそこからちょっと距離取って別のところでやる。
そうすることによって自由度も高まるし、言いたいこと言えるしっていうような感じになるんだろうなという気がしますよね。
ただ取材する側としてはあまりバラバラなところに行ってほしくないなというのはあるんですけれども、でも発表の後に例えばナイトパーティーみたいなイベントをやったりとか、個別取材みたいなことをする上では会場の中にない方がいいという判断だったのかなと思います。
ちなみにSamsungが抜けた後何が埋めていったかというとロボット掃除機メーカーでした。DreameとかRoborockとかって言ったところが、村かなっていうぐらいの巨大なブースとものすごいおびただしい量の商品量でそれを賄っていたという形ですね。
だからロボット掃除機から車から家電から何から全部ありますっていうような見せ方をしている企業が多かった気がします。
けどなかなかロボット掃除機も市場としてはもうレッドオーシャンというか、かなり厳しい感じになってそうですよね。
なので多分ロボット掃除機のモーターを開発して、そこからドライヤーに行って家電に行ってペット家電に行ってっていう形でもう全てを統括するっていうような盛り上げ方っていうのを見せていた気がしますね。
ちなみにSamsungはいつものブースのところに「今年はここにSamsungはありません」というブースを出していました。受付カウンターがあって「今年はウィーンにいます」って書いてあって。で、何人か説明員の方がいるっていう。
親切だなと思うと同時にお金があるなぁなんて思って。
毎年同じ場所にね巨大なところに出していたので、それがぽっかり無くなったらちょっとびっくりしますもんね。
だから「今年はここにいませんブース」っていうのが、ちょっと印象的だったなと。
自動運転車「Zoox」
で、後はちょっとCESから離れるんですけれども、Zooxですね。自動運転のZooxという車が、この期間中実験的に動いていて。それに2回ほど乗れたんですけれども、結構これも争奪戦で、頼んでから1時間ぐらい来ないっていうような形でした。
Waymoのようなタクシーの形で運転手がいて隣に助手席があって後部座席があるタイプではなくて、Zooxは向かい合って座る新幹線のボックス席みたいな形の自動運転ロボタクシーでした。
なのでちょっとリムジンに乗っているような感じでしたね。で、昼間に乗った時は自分で呼んだ後にスマホをピッとかざすと開いて。で、あと何分で着きますよというのが出て。で、向かいでしゃべりながら移動する、ちょっとゴルフのカートみたいな。動きとしては車っていう感じではあんまりなかったですね。
Zooxってあれって決まった場所でしか乗り降りできないんでしたっけ?
CES期間中はそうなっていましたね。だからここからここのホテルまでっていうのを決めて移動するという感じ。
で、夜乗った時は天井がちょっとキラキラしてなんか謎にパーティー仕様みたいな形になっていたので、ちょっと面白いなと思いました。
あと他のタクシーの運転手の方に「ラスベガスの街中走っててZooxのことどう思いますか?」っていうのを聞いたら、「もう全然すごい優しい走りだしなんとも思わないよ」みたいなことを言ってましたね。
自分も深センで自動タクシーに乗った時は、自動運転の車って絶対に無理はしない運転をするから、バンバン前を行かれちゃうんですよ、他人の車に。というところはだからね非常に弱い立場というか。
ただZooxに関してはちょっとアグレッシブだなっていう動きもあったりしていて。もしかしたら学習する元がどこの国のどんなドライバーなのかにもよるのかなと思ったりしました。
メガネ型デバイス
あとはやっぱり眼鏡系ですね。ARグラスとあとはAIグラスという2つのパターンがありまして、XREALのようなディスプレイが見れるタイプのARメガネと、緑のプロンプターみたいな形で文字が出てくる、ナビゲーション・通訳・文字起こしができるものっていうのが、もうたくさんたくさんありました。
作りやすいというか、いろいろと参入しやすいんだろうなっていう感じはしますよね。
ネクストスマホは何なのかというところをなんとなくみんな探しているのかなとは思ったんですけれども、北さんメガネ型のデバイスにはご興味はありますか?
一応XREALは買いましたが、あんまり使ってなくてですね。
でもずっと、拡張現実・ARは興味があったんで、いつかそういうものも自分でも開発してみたいなみたいなのあったんですけど、なんかARは気が付いたらいなくなってしまい。
思ったよりも盛り上がらなかったなって印象があります。これから来るんですかね。
私は今回ちょっと試させてもらったのが、Even Realitiesという会社のG2というAIメガネなんですけど、それはドイツのMYKITAだとかic! berlinっていうデザイナーズブランドがメガネそのものを作っていて。中身は緑で中にトランスレーションが見えるっていうものなんですけど、ちょっとびっくりするほど翻訳の精度が高くて、文字起こしのスピードも早かったんですね。
これだったら普通に使えるなと思ったので、今サンプル機を普通に発表会で文字起こしに使ったりしてます。
あと中国語と日本語の話者での取材っていうのが、もうCESでちゃんと実現できたので、これはもしかしたらこのメガネ型グラスまたはソフトウェアで、ちょっと言語の壁っていうのはなくなっていくのかなっていう未来はちょっとCESで見えた気がします。
リアルタイム翻訳がずっと表示されているとどれぐらい早いですか?
1秒かからずぐらいに出てくるんですけど、メガネに表示するのにはCESの会場はBluetoothや2.4GHz帯が飛び過ぎてるので、ちょっと遅れがありました。日本国内で見る分には全然スムーズでしたね。
同時通訳とかを耳で聞くじゃないですか。あれって結構ディレイが発生するので。
あと耳から入る情報って結構頭を持ってかれちゃうというか、英語がちょっとわかる人の場合日本語の通訳を聞いて混乱してしまうので、字幕で見れてる方がスムーズに記事とかは書きやすいなというふうには思いました。
ウェアラブルAI
で、あと一つ私が面白いなと思ったのは「ウェアラブルAI」みたいなジャンルが出てきていて。
今だとPlaud NotePinだったりとか、AIでいろんな情報を録音してそれをサマリーする、要約するみたいなものがいくつかありますが、1日の自分の記録を全部取るっていう。
小さいカメラが付いていて、胸元にピンとして付けておいて、自分が誰と話したか、何をしたかをログ取ってくれるっていう、北さんのようなライフログ好きの方にはすごくおすすめできそうなアイテムでした。
昔カメラで1日中撮り続けてっていう、Microsoft SenseCamっていう製品がありましたが、あれみたいな感じですかね。
本当にそういう形なので、例えば自分が朝家を出る時にコーヒーを飲んだかどうかとか、鍵を閉めたかどうかもそのカメラが記録していってくれて。そんなに解像度高いものではないんですけど。
面白いのはそういった自分の行動のサマリーを自分が質問できる。私朝コーヒー飲んだっけ?薬飲んだっけ?みたいなことを返してきてくれるっていうのがありました。
ただこれは割と倫理的に、喋ってる人のこともずっと録画し続けるものになるので、このあたりはちょっと法整備みたいなものが必要なのか、それともみんなが気にしなくなるのかどっちかなっていう感じですね。
音ならいいんですけどね。やっぱ映像は。
でも音もどうですか?居酒屋でみんなが愚痴を話してる時に「録ってる?録ってる?」って思っちゃいそうですね。
常に赤く光ってる状態でね、会話しなきゃいけないとかそんな感じになりますよね。
緊張感が高まる中でオフレコができないみたいなことはあるかもしれないので。ただAI需要が高まる中ではそういった自分の行動をサマリーするっていうのも当たり前になるのかなともちょっと思ったりしました。
エンディング
Mobile Tech Lab。そろそろお別れの時間となりました。石川さん北さん、今日の放送いかがでしたでしょうか?
またね、この1年、来年行くか行かないかCES。ちょっと考えようかなと思ってますね。
どうするかですよね。車関係やモバイルが出れば。
そうですね、あとは円高に振れるといったところかなと思いますね。
切実ですね、北さんいかがでしたか?
とにかく弓月さんがよどみなくしゃべられてるのがすごいなと思って。聞き惚れてしまいました。
ライフログAI。
ライフログね、ぜひもっと面白いのがきてほしいですね。
