電波を「吹く」とは
電波を「吹く」は、基地局やアンテナから電波を送信し、携帯電話などが通信できるエリアを作ることを表す通信業界の言い回しです。「この場所へ電波を吹く」「アンテナから電波が吹いている」のように使われます。
電波が風のように流れているという意味ではありません。正式な技術用語というより、現場で電波を送信する様子を直感的に表した業界表現です。
基地局から電波を送信する
基地局では、無線機で通信信号を電波へ変換し、アンテナから周囲へ送信します。端末がその電波を受信して基地局と通信できる範囲が、携帯電話のエリアになります。
基地局の設備を設置しただけではサービスは始まりません。ネットワークへ接続し、必要な設定や試験を行ったうえで電波の送信を開始して、初めて利用者が接続できる状態になります。
電波の「吹き方」を調整する
アンテナの向きや下向きの角度、送信出力、使用する周波数などを調整すると、電波が届く方向や範囲が変わります。イベント会場では人が集まる場所へ重点的に電波を届け、隣接する基地局や別のシステムとの干渉を抑える必要があります。
そのため「電波の吹き方を変える」という表現には、単に送信のオン・オフだけでなく、どこへ、どの程度の強さで届かせるかを設計する意味が含まれる場合があります。
周波数によって届き方が違う
低い周波数は比較的遠くまで回り込みやすく、高い周波数は大容量の通信に向く一方で、遮蔽物の影響を受けやすい傾向があります。5GのSub6とミリ波でもエリアの作り方は異なり、アンテナ技術のMassive MIMOなどを使って効率よく電波を届けます。
「停波」との関係
電波を吹き始めることに対し、送信を停止することは「停波」と呼ばれます。ただし、1つの基地局を保守のため一時的に止める場合と、3Gのような通信サービス全体を終了する場合では範囲が異なります。番組内で「電波を吹く」と出てきたときは、基地局から電波を送信してエリアを作ることだと考えると分かりやすくなります。
