石川温・弓月ひろみ・北真也がお届けする「モバテク」。2026年5月17日に放送された第59回のアーカイブです。
北真也さんはお仕事の菅家で今回お休みで、石川温さんと弓月ひろみさんのお二人でAIスマホの「Natural AI Phone」と、ドコモのサービス「SyncMe」について話しました。
目次
オープニング
今週はちょっと北さんお忙しいということで、おやすみとなりました。さて5月といえば5月病とか言われることもありますけれども、石川さんは心のリフレッシュはどうされてますか?
基本的に、ガジェットを買うというところかなと。やっぱりね「これって必要なんだろうか」とか、「これ今買ってお小遣い的に大丈夫なんだろうか」とか、「買って満足するんだろうか」とか、「いつまで使うんだろうか」というのを考えるだけでわくわくする。目の前の仕事を忘れられるというところですね。弓月さんはどうですか?
ごめんなさいそれって、記事にはならないかもしれなくても買うことがありますか?
そうですね。だからそれは後から考えるみたいな。だって、無理やり買ってイマイチだったときにも記事にするって、一番不幸なことじゃないですか?テンションも上がらないし。っていうところなので買ってみて判断するって感じですね。
私もそういう意味では結構、ロボットが出ると買ってしまうっていうのはありますけど、でも基本的にはリフレッシュはAppleのiPhoneのジャーナルとかに音声入力で言いたいことをバーっと言って気持ちを吐き出すとか、温泉に行くみたいな、普通のリフレッシュ方法してるかもしれません。
気持ちそうやってiPhoneに吐き出して、あとから見たらまたテンション下がりません?
見返したりはそんなにしないです。一年後ぐらいには「この時大変だったなとか」思ったりするんですけど、とりあえず言いたいことをロバ耳として言うっていうのがあります。
AIスマホについて
さてこの番組では最新のモバイルテクノロジーを学んでいくということで、私たちが持ち寄った今注目すべきモバイルテクノロジーをご紹介していきます。本日のテーマを石川さんお願いします。
「AIスマホ来たぞ」というところでお届けしたいと思います。
AIスマホとはズバリどんなものでしょうか?
ここ最近数年に渡って「スマホにAI載りましたよ」っていうのは、散々やってきたわけじゃないですか。例えばGoogle PixelがGeminiを載せてますよとか、あとSamsungがGalaxyでAIスマホ頑張ってますよって話をしてますけど、ここにきてキャリアが日本のキャリアがスマホ向けのAIを強化してきてサービスを本格展開してるというところになってきているので、その辺のお話をしたいなと思ってます。
Natural AI Phone
結構いくつかニュースになっていましたけれども、中でも話題なのはソフトバンクでしょうか?
そうですね。ソフトバンクが4月に発売したのが、Natural AI Phoneといったものになっています。こちらのメーカーとしてはBrain Technologiesという会社のスマートフォンになっております。こちらは何がすごいかといいますと、AndroidのOSにAIを組み込んでいるというものになっていて、画面の下の方に「タップして開始」というふうにありますけど、これをタッチすると。
今ここに実機がございますが。
あるんですけど、これでいろんなことを聞く。それによっていろいろ応えてくれるというものになっています。
これはいわゆる生成AIで我々がよく使うような、LINEのような、吹き出し型のコミュニケーションという形ですか?
そうですね。なので知りたいことを聞く、さらに自分のことをいろいろとインプットしていくとそれを覚えておいてくれるので、それによって会話の精度が上がっていく、さらに先回りをしてくれるというものになっています。
これはパーソナルな情報をここに入れることで、さらに日常が便利になるっていうところを目指してるんでしょうか?
そうですね。やはりスマートフォンって個人の情報が入っているものなので、そういったものをさらにAIに教えていくことによっていろいろと先回りしてくれると。操作も先回りしてくれると。
友達にLINEを打とうかなと思ったときにも、いち早くLINEが起動してくれたりですとか、あとは写真見せてっていったら写真のアプリが起動してくれるとか、そういう方向性を目指しているという感じですね。
ただそのAIを強化するというのはわかるんですけれども、ここに来て端末を出すというのはなかなかチャレンジングなことですよね。
そうなんですよ。だってソフトバンクなんて、iPhoneをいち早く扱っていたので今iPhoneユーザーが圧倒的に多いじゃないですか。さらにはソフトバンクの前からずっとシャープが強かったっていうキャリアになってたりもしますし、ここ数年はGoogle PixelもバンバンCMしている。
最近はソフトバンクはGalaxyも扱うようになっているというところでいうと、競合メーカーがひしめき合ってる中で聞いたことのないBrain Technologiesのスマホを出すっていうのは、相当チャレンジングなんだろうなと思いますね。
このBrain Technologiesという会社は、今までも端末を出しているメーカーなんですよね?
他のプラットフォーム向けにはいろいろとやってたみたいですけど、スマートフォンに関しては世界で初めてソフトバンク向けに出したという感じですし、ソフトバンクがこれを売るにあたって1年間独占的に扱えますよというふうに宣言しているので、この1年間はソフトバンクからしか買えない。ただ1年後にはドコモとKDDIが出すのかどうかよくわからんみたいな感じですね。
なぜソフトバンクは今こうした作戦といいますか、こうしたビジネスに切り替えていこうとしているんでしょうか?
ソフトバンクは今AI推しの会社じゃないですか。孫さん自身が「AIAI」って言ってるぐらいだったりもするので、そういう中でおそらくスマートフォンとユーザーの接点が変わっていくだろうというところはいろんな人が言ってたりするわけですよ。
今までのスマートフォンって何かやろうと思ったらアプリ起動して、じゃあこの写真を送ろうと思ったらコピーして、別のアプリ起動して貼り付けるとか、メッセージで「この週末空いてる?」って聞かれたらスケジュールのアプリ起動して確認して、じゃあここ空いてるからまた返事するみたいな、まあいろんなアプリを起動しては閉じ・起動しては閉じっていう、結構面倒くさいことをいっぱいしてるわけですよ。
我々は慣れてしまって気づいてないですけど、開いたり閉じたりコピペしたり出したりは、意外とやってるものですね。
ふと考えてみると相当やってると。っていうのって「AIに全部任せられたら結構便利なんじゃね?」っていうふうなことをみんな思い始めている。
そういった方向性って、Googleも今一生懸命開発しているし、AppleもApple Intelligenceを発表した時にはそう言ってたけど、まだ実現していないという中でBrain Technologiesが、そういったコンセプトを持っていて、ソフトバンクとBrain Technologiesが2年ぐらい前から、いろいろと話し合ってようやっとできたという感じになっています。
では逆に何の色もついていないすごくフラットなところから、ソフトバンクがやりたいことを実現するために、このパートナーが必要だったということですか?
そうですね。そこで最適なパートナーだったというところだと思います。ただ一方でソフトバンクも、Brain Technologiesだけと心中するつもりは多分ないんじゃないのかなと。おそらくこういったコンセプトってね、ChatGPTのOpenAIも考えてるでしょうし、あと他のAIプラットフォームも考えてると思うので、その時に揃ったものを出していくっていう感じになってくるのかなと思います。
確かにこのAIの時代が来た最初の盛り上がりは、どんなプロンプトが優秀か、どんなプロンプトを入れれば正解が出るのかというようなことでしたけれども、そのプロンプトエンジニアリングみたいなものは意外と高度で、開かれているとは言い難かったですよね。
そうですね。今はパソコン向けというか、ブラウザでやろうと思ったらいろんなことができて、しかも一つのAIサービスから他のAIサービスにつながって、使いこなしてる人はめっちゃ便利に使ってるんですけど、ただそれって本当にごく一部の人たちだけで。
本当に一部ですね。
っていうのがある中でまだね、AIって盛り上がってるけどよくわかんないとか、使いこなしてる感じがしないとか、遊び程度しか使ってない、相談相手として使ってるってパターンもありますけど。
そういう中で幅広い人に、今のGoogle検索みたいに使ってもらおうと思うと、こういったスマホへ載せていくというのは一つの答えなんじゃないのかなと思いますね。
確かに例えば自分の両親であったりとか、ちょっと年齢上の方に説明をするのも大変ですよね。「ChatGPT起動してこれを言ってみて」とか、そういう意味では全部一括でやってくれるAIがいる方が、らくらくスマホ的に使えるという側面もありますね。
そうですね。らくらくスマホってね本当に文字を大きくするとか、ボタンを大きくするとかってことしかできなかったんですけど、AIスマホが進化すると、例えばじゃあ買い物になかなか行けない年配の人が、これとこれとこれはAmazonで買っておいてってスマホにお願いするだけで、カートに入った状態にしてくれると。あとは購入するってボタンさえ押せば、それでもう注文が行って、翌日ぐらいに届くってことができるようになったりもするので、操作性を変えるっていうところでいうと、AIとの相性はものすごいいいんじゃないのかなというのは個人的には期待しています。
そうですね。今もう本当にスマホなしでは飲食店でも注文ができないことも多いですし、結構そのお隣に座ってるご高齢の方をお手伝いしたりとかもありますので、そういうのも代わってやってくれたらすごくいいですよね。
SyncMeとは?
という中でもう一つご紹介したいのが、ドコモのSyncMeと呼ばれるサービスがあります。こちら画面を開くとワラピィとヨミドーリというキャラクターが2体いまして、これがいろいろと応えてくれるというものになっています。
こういったキャラクターを使うことによって、幅広い人がとっつきやすいというところはあると思います。ただこれね、かわいいキャラクターでパッと見、逆にとっつきにくい人もいるのかなと思うんですけど、実はこれ単なるかわいいキャラクターのAIっていうのがSyncMeの醍醐味ではないということをお伝えしたいんです。
これはドコモが提供しているdアカウントと紐づいています。まずユーザーがSyncMeを始めるときにdアカウントを入力します。その後に自分のお気に入りの写真を5枚以上・20枚以内アップロードしてくださいというふうにお願いします。そうすることによって、ユーザーのプロフィールといいますか、どういった人なのかといったものを診断してくれるんですよ。
最初にじゃあどんな写真を選ぶかで人となりや生活や、食べてるものとかそういったものを判断すると。
で、これ自分、石川温すでに使っていて、温さんのライフスタイルっていうのが出てきているので。
診断されてるんですね。
弓月さん読んでもらっていいですか?仕事の部分。
ちょっと拝見します。「仕事、東京都を拠点に活動する自営業、フリーランスのプロフェッショナル、MacBook Airや最新のOPPO、スマートフォンを駆使し、場所や時間に縛られない、合理的なワークスタイルを確立しています。効率を極限まで追求する一方で、航空機のビジネスクラスシートやインフラの裏側への関心から、空間デザインやテクノロジーに関わる専門的なビジネス、あるいはITメディア系のクリエイティブ職に従事している可能性が高いです。」
どうですか?
これはもう、まさにぴったりじゃないですか?
そうなんですよ。ドコモが提供しているdアカウントって、d払いとかdカードとかにも紐づいているので、ユーザーがどこに住んでいるか。いま弓月さん、具体的な区の名前は言わなかったんですけど、これ画面上には区の名前も出ているっていうところだったりもします。
なのでどういった生活スタイルなのか、行動範囲がどの辺なのかと、例えば自宅と職場を平日に多分移動している人は、会社員なんだろうなっていうところが特定されるし。
そういう推測もするんですね。
移動を見てるので。で、自分の場合は家しか分からないし、多分いろんなところを転々として仕事してっていうので、フリーランスなんだろうなっていうのを読んでたりするので。
これは石川さんの名前をGoogle検索した結果とかってことじゃないんですね。
最初だからもしかすると、ドコモ広報が裏で何かデータに入れてるんじゃないのかなと思ったくらいですけど、どうやらそうじゃないらしいんですよ。なので使い始めた瞬間から自分のことを分かってくれている。これ一番最初に使った日たまたま自分の誕生日で、この二人のキャラクターがバースデーケーキ持ってたんですよ。
突然お祝いを。
はい、お祝いをしてくれたりとかしますし、喉の調子悪いから、「この辺で休日診療しているクリニックある?」っていうふうに聞くと、ちゃんと自分の住んでいる自治体周辺のちゃんとそこの病院を出してくれたりもするので。
いちいち何区とか入れなくてもいいんですね。
むちゃくちゃ自分のこと分かってくれてるAIじゃんっていうのが、非常に面白い。
これはdアカウントと紐づいているということは、dアカウントと紐付けたお買い物とか、ポイントを付けた例えば喫茶店とか、そういうものも見ているということですか?
おそらく見ていますね。
ちなみに写真はどんなものを入れたんですか?
写真はスペインに行った時の写真とか、あと取材の写真とか。ただ残念ながらこれSyncMeはMacBook Airって言ってるんですけど、本当は写真あげたのはMacBook Neoだったりするんです。残念ながらMacBookのNeoとAirの違いはわかんなかったんですけど、ここ最近のいろいろ撮ったものをあげたら、やっぱりそういったもので判断しているという感じです。
SyncMeに個人情報を渡した時の可能性
これはすごいなと思う一方で、ここまで知られるのが怖いなという方もいますよね。
そうです。だからそこがドコモのこれからの腕の見せどころなんじゃないのかなというところで、すごい知ってるんだけど最初はそんな知らない体を多分装うんだろうなと。
知っててもそれは心に留めておく。
会話をしていくうちに確信を持って小出しにしていくんじゃないのかなっていう気はします。ただこれ刺さる人にはむちゃくちゃ刺さるんだろうなと思っていて、今それこそOpenAIとかGoogleとかClaudeとか、いろいろありますけど、ああいったものを一生懸命使ってる人からしても、ちょっと違う切り口というか。
メモリー機能があって自分のことをいろいろ伝えたら分かってくれるっていうのが今のAIでありますけど、最初から既に知ってくれているという、全能感みたいなものは初めてですね。
あとスマホだからこその一次情報との連携っていうのも非常に大きいなと思いますね。
私はいちいちやっぱり入れるの面倒くさいですし、こうやって全部知ってくれたら、何も言わなくても分かってくれるからいいなと思いますし、あとアプリケーションの中にペットを飼ってるみたいな感覚になるので、それはすごく可愛くてとっつきやすいなと思います。
いろんな可能性を秘めていて、じゃあ例えばこのキャラクターに対して、振込をお願いとか言ったら。
なんと。
銀行のAIと連携して振り込みに行ってくれるとかね。画面上で。じゃあちょっと請求書を出しておいてって言ったら、決まった請求を出してくれるとかっていうこともできる。
一番いいですね。
今いろんな企業のサービスがAIに向けて口を開き始めていたりもするので、そこと連携してくれると本当に面白いし、だからAIの入り口として幅広い人に向けたAIの入り口としては、何か面白くなるんじゃないのかなと思いますね。
いわゆるクラウドのサービスがいろんなものと連携して便利になったように、AIと連携するサービスっていうのが、今後は増えそうな予感がしますね。
ガラケーの頃はiモードっていろんな企業と繋げてくれたじゃないですか、ポータルサイトとしてね。SyncMeが令和の・スマホ時代の・AI時代のポータルサービスになる可能性があるなと思っていて、ドコモ頑張れっていう感じはすごいしています。
すごくドコモらしいというか、今までコンテンツをしっかり作り上げる、iモードの時代を担ってきたからこそのこの出方という気がしますね。
今最先端のAIって一般の人を置き去りにしてるので、っていうところでいうと、日本国民のための、日本国民が自然に使えるAIサービスになるといいかなと思います。
こう見ると、どちらもAIスマホではありながら、ちょっと違う方向を向いてるような気もしますし、その一方でたくさんの人にAIを使ってもらうための戦略というところでは共通してますね。
そうですね。ここでの競争もね盛り上がってくるんじゃないのかな、というふうには思いますし、KDDIとかは結構Googleと仲良かったりもするので、じゃあGeminiをどうやって普及させるかっていうところが、一つ注目ポイントになってくるでしょうね。
今KDDIって料金プランと組み合わせて安く使えるとかっていう方向に舵を切ってたりもするので、じゃあこういったアプリ化するとかスマートフォン化するっていうところで、どういったことをしてくるのかってのは注目です。
あと楽天とかって今、楽天のアプリ自身をAI化していて買い物しやすくするみたいな方向性をやってたりもするので、それぞれのキャラクターがあって面白いなと思いますね。
楽天は楽天なりにお買い物というところでのAIが期待できそうですね。
エンディング
Mobile Tech Lab、そろそろお別れの時間となりました。石川さん今日の放送いかがでしたか?
やはりこれからキャリアが一生懸命AIサービス注力していくので、注目してほしいなというところです。SyncMeに関しては、今先行モニターに提供してますけど、夏ぐらいから本格的にサービス提供するというところなので、しばらく待っていただけたらなと思います。
MWCでは立体化したキャラクターもいたような気がするんですけど、あんな形でロボットとして触れ合えるようになったら最高ですね。
そうですね。スマホの画面だけではなくいろんなところに出てくるようになると、またね違った展開もあるのかなと思いますね。
