石川温・弓月ひろみ・北真也がお届けする「モバテク」。2026年10月25日に放送された第82回のアーカイブです。
「AIと人間の未来」をテーマに情報流出の話からセキュリティの話、そして自動運転によって今後どう便利になるのかなどを話しました。
目次
オープニング
こんばんは、番組パーソナリティの弓月ひろみです。Mobile Tech Lab。この番組は最新のモバイルテクノロジーを学びながら、これからの生活をちょっと豊かにできたらという番組です。みなさんもこんな未来になったらいいなを一緒に考えていきましょう。
そして今夜も私と一緒に番組を進めてくださるのはこのお二人です。
こんばんは、スマホケータイジャーナリストの石川温です。
こんばんは、INNOMO代表の北真也です。
今夜もよろしくお願いします。さて10月31日はハロウィンですけれども、お二人は仮装したことがありますか?
仮装したことがないです。
ハロウィンイベントは?
子どもが一応ハロウィンとかやるので、それをちょっと見るぐらいで自分はやらないみたいな。
ハロウィンやらない派ってことですか?
あれはやっぱり陽キャのイベントなので、僕みたいな陰キャはちょっと。
石川さんはどうですか?
仮装で思い出したんですけど、学生の時に後輩が欽ちゃんの仮装大賞に出てて。あれを見て仮装大賞に出るのに憧れたなっていう。
それはあれですね。昭和の子どもたちがみんな憧れる。
やっぱりあれ相当出るの勇気いるじゃないですか。多分オーディションもあるだろうし、多分オーディションでボロクソ言われるだろうし。
全国の人が見ますからね。
けど脈々と続いているじゃないですか、いまだにね。
クオリティ高いし。
というのでいつか出るタイミングがあるんだろうかと思ったんですけど、結局そんなこともなく。
まだ諦めるの早いです。
復活する可能性もありますからね。
老後の楽しみに取っておこうかな。
老後の楽しみに仮装大賞いいですね。まさかそっちが出てくるとは思いませんでしたけど。
弓月さん何かありますか?
私は結構子供の頃から小学校で、横浜だったからかもしれないんですけど、ハロウィンイベントがあって。で、仮装しなきゃいけなかったんですけど、私のこだわりは、主人公以外の仮装をするっていうのがあって。例えば赤毛のアンじゃなくて友達のダイアナとか、卒業式の時の袴もはいからさんが通るの紅緒さんじゃなくて環さんみたいな。ちょっとずらしていくっていうのをやってました。そんな謎のこだわりがありました。
AIによって増えた情報流出
さてこの番組では最新のモバイルテクノロジーを学んでいくということで、私たちが持ち寄った今注目すべきモバイルテクノロジーをご紹介していきます。本日のテーマは「AIと人間の未来」です。
壮大。
ちょっと壮大な感じになりましたけれども、今までAIの活用法とかAIを使ってアプリを作ったとか、そういった話をしてましたけれども、もうちょっと大きなところでの「今後AIってどうなっちゃうの?」っていう話なんですけれども、石川さん最近情報流出のニュースすごく出てますよね。
8月ぐらいにソフトバンクの孫さんが、「これからサイバーセキュリティやばいぞ」という話をしてたんですよね。「日本の企業もこれからこのままだと情報流出とか個人情報狙われるぞ」と。
やっぱりこれだけAIが進化してくると、AIがそういった企業のシステムに入っていって、悪さをする人がAIを使ってそういうところに入っていって、どんどんどんどん企業のシステムが穴をあけられるということを言われてたんですけども、その時孫さんが言ってたことが、いよいよこのタイミングになってついに現実味を帯びてきたというか。いろんな企業で情報流出してる。
それがAIを使っているというところまでは、まだはっきりとわかんないですけども、かなりその可能性が高いだろうなと。AIが悪用されつつあるというところはあると思いますね。
そうですよね。おそらくAIによっていろいろなクラッキングみたいなことが容易になっているだろうということですよね。北さんはこの情報流出をどのように見ていますか?
脆弱性って絶対あるんですね、人が作るものなので。それに対してその脆弱性を推定とか、こういう脆弱性があるだろうっていうのをAIに食わせると、それをひたすらいろんなところに攻撃をしまくるっていうところがあるんで。
もう攻撃対象っていうのもリストとしてあって、それに対して攻撃する入口みたいなものがどんどん新しく追加されていくので、それを使ってその脆弱性がないかっていうのを探るっていうふうに、悪用されている側のAIとしてはそういうものがないかっていうのを常に探しているっていう状態なので。
昔はそれをわざわざプログラムに組んでとか、ウイルスに仕込んでとかバックドア作ってとかっていろいろやらないとダメだったものが、もう今は表から攻撃をするところに対してどんどんどんどん武器を与えられると、どんどんどんどんAIが賢くなって攻撃をするようになってるので、昔ながらのサイバーセキュリティやってる会社だと、2年3年経つとすぐに破られちゃう時代になっちゃいましたね。
特に日本は大企業になると、なかなか承認プロセスに時間がかかったり、この本当に日進月歩で変わっていくAIの技術にセキュリティ側が追いつくのが難しいのかなという気もします。
ですね。
結構昔のシステムのままだから、そこに対して新たに設備投資するお金がなくて古いまんまになってるとかっていうのが結構あるのかなと。今年KDDIが情報流出しましたよって話がありましたけども、あれもニフティとかBIGLOBEとか、ああいったプロバイダーのメールをやられたんですけど。
ちょっと懐かしい感じの。
アレってもう昔のパソコン通信の時代からあるシステムがずっと動き続けていた。で、新しいセキュリティの仕組みもあんまり入ってなくて、それをずっと引きずってたものをKDDIが「じゃあうちがメンテナンスしますよ」「管理しますよ」って預かったものが昔のままだったから、あんな感じになったみたいなのもあったりもするので。
そういった企業の危機意識。儲かりはしないんだけども、そういった情報を守るっていうところにお金を使ってこなかったっていうところが、今狙われてるのかなって感じがしますね。
でもニュースでは「自分の情報は自分で守りましょう」みたいなことも出てましたけど、ちょっともうそういう風にはいかないですよね。
自分でどうこう守れるもんじゃないですし、やっぱり企業に預けた情報が流出してるっていう感じだから、企業がもっとちゃんとしなきゃいけないし、もう「ちゃんとする」っていうのも限界なのかなっていうところはあるんじゃないのかなって気はしますね。
そうですね、でも本当にそろそろ自分の情報は流出して当たり前というか、若干みんな諦めの境地に既に来てるような気がしないでもないですね。
昔は情報流出したら必ず補償があったんですよ。1件1万円じゃないですけど。
500円ね。
500円か。今は一切補償されなくなりましたよね。そんなんしてたら多分もうとんでもない金額になるかなと思うんですけど。
本当に一つ大きいものがあったら、我も我もという感じで出てきてますけど、実は今もその情報流出していると言われてる企業の他に流出してることにも気づいてない企業であったりとかデータもあるかもしれないですし。
そこに今そんなに景気も良くない中で、セキュリティにお金を投資していくというのはなかなか難しいことでもありますね。
自分の情報をどのように守れるか
だからもうIDとパスワードで管理するっていうのが難しくなってるだろうし。よく言われてるのが「パスワードを変えましょう」みたいなこと言ってたりもありますけども、これだけインターネットサービスがあって、それに対して全てパスワードを変えてくださいというのは無理な話だったりもするので。
大前提としてパスワードも流出してるものと考えて、多要素認証とか2段階認証的なものを入れる。ログインした時にじゃあ例えばFace IDで1回ログインし直すとか、パスキーでログインするみたいなことを入れないと、少なくともやらないと厳しいんじゃないのかなって感じですね。
あとはもう情報流出した前提で、認証サービスであったりとか免許情報などを使って登録審査会社とかにもう前もって先手を打っておくとかね。
結構そういったオフラインの対策も必要になってくるのかなと思いつつ、こうやってAIがきっかけかなと思われる情報流出が止まらなくなってくる中で、我々一方ではAI非常に便利に使っていると。
AIで変わる仕事と人の価値
このあとAIと人間の関係はどうなるんでしょう?石川さん。
一つには働き方というか仕事の仕方が変わってくるんじゃないのかなって気がします。AI使いこなせてる人はどんどん仕事も増えていくし、それによって収入も増えていくだろうし。
一方でAIが進化することによって、仕事が奪われてる人もいる。方やAIができない仕事っていうのは、ものすごい価値を生んでくるというか。ちゃんと体を使ってサービスを提供するとかっていう仕事は、今はもしかするとお給料安いかもしれないけど、逆にその価値が高まって給料が高くなってくる。
既にそういう動きが出始めてきますけど、そういった流れって出てくるのかなと思いますね。
そうですね。そういったAIの先にフィジカルAIもあるのかなと思いつつ、例えば接客であっても今セルフチェックインだったりとか、いろいろモバイルオーダー端末増えてきてはいますけど、その一方で人対人の接客に非常に価値を感じるようになっているというか。そこにだったらお金を払っていいかなっていう、体験にお金を払うというのは増えてる気がしますね。
なのでますますそういったところっていうのは価値を生んでくるっていうところだったりすると思うので、大分この先の働き方っていうのを見直す必要があるのかなと思いますね。
北さんはいかがですか?
暗い話多いと思うんですけど、明るいことも当然あって。日本だったら人口減少もあるので、そういうところでAIを使うことによって人口が減ったとしても問題なくっていうのがあって。
例えばネットワーク系の業界、テレコム系の業界だとすると、どんどんどんどん保守をやっていく人が減っていくっていう問題があって、「どうするんだ2030年問題」っていうのがやっぱりあるんですね。
そこで団塊世代がどんどん抜けていく時にどんどんAIを使って自動化をしていきましょうっていうのが、最初はちょっとスローガン的だったものが、ここ数年で急激にちゃんとAIが仕事というか、そういう運用保守の現場でも使えるようになってきているっていうのがあって。
人口減少する日本にとっては、AIっていうのは力強い味方になっていくんじゃないかな、っていうのは思いますっていうところですね。
AIが仕事を奪うという話もある一方で、人手不足のところではAIがそれを補うことで、その先にいる人たちがまた助かっているということですもんね。
補うだけじゃなくて、今までできなかったことができるようになっていくとかっていうのもあって、例えばネットワークの話でいくと、昔はAIを使って最適化しましょうとか、無駄をなくしましょうってのが多かったんですけど、最近「何とかアップ」っていうシリーズがあって、AIをどこに置きましょうかっていうのがあって、それを今までは上の、真ん中のデータセンターに置きましょうっていうところからだんだん下りてきて、最近基地局にAI置きましょうとかっていうのがあって、Dアップっていうやつがあるんですけど、そういうものが出てくると基地局一個一個がもっと賢くなって、今までよりもきめ細やかにとか。
何も考えずにサービス提供してしまうと効率悪く占有してしまうのを、うまいことリソースを振り分けることによって、みんなが平等に使えるようになるとか。
あるいは速度を必要としている人には速度を渡すし、そうじゃない人にはそうじゃないっていうようなことが、もっときめ細やかにできるようになっていくので、それを人がやるともうとんでもない工数になっちゃうんで。
AIは手厚くできるっていうことですね。
そう、AIだったらできるっていうので、今までよりも通信も高度化していくってのは、AIのおかげでできるんじゃないかな、っていうふうに見てるって感じです。
自動運転と街づくりの未来
例えばラスベガスで開催されてるCESであったりとか、スペインのMWCとかでもそうですけれども、いろんなところでAIがなかった時代に「未来はこうなるんじゃないか」と言われてたものが、さらにAIが入ることによってすごく加速するというふうになっていくとは思うんですけど、石川さんモビリティっていうのはAIとの組み合わせで今後どう変わっていくんでしょうか?
自動運転とかあの辺というのは非常に進化していくだろうなというふうに思います。ただ一時5Gのネットワークが広がったら、自動運転できるだろうみたいなこと言われてましたけど、あれは全然嘘の話で。
携帯の電波でつながったところで自動運転ってできなくて、車単体で自律的に処理するっていうことが必要だったりもするので、車としてAIが進化していくと、自動運転もやりやすくなるだろうなというところだと思います。
それがLiDARとかっていうところじゃなくて、画像認識だけでいけるようになるというところもあったりするというところがありますが、とはいえ一台いくらするのよって話になってきてると思うし、そこは難しいところかなっていう。
結構昔ヒョンデのグループが、街にハブをもう全部作って全員自動運転のバスで移動させ、その自動運転のバスが移動したところのビルの上からドローンにみんなが乗って移動してっていう、自分が運転するというよりは人を運ぶ街みたいなものを完成図として出していた年があったように思うんですけど、確かにAIがそうやって管制塔になるようになればスムーズにそういう形で動くような気がします。
ただもうねトヨタがWoven Cityって言って、自動運転の車が動いたりとか、そこで人が共生するみたいな話をしてましたけども、あれをやろうと思ったら、すでに街を作ってますけど、街を作り替えるぐらいじゃないと難しいというか。
街が必要ですからね。
一方でそれこそ中国とかいったらもうバンバン自動運転のタクシーが走っていて普通に乗れるっていう状況もあったりもするので、街単位でそれぐらいやらないと、AI化しないと進まないんだろうなっていうか。日本は非常に厳しいというか。
そうですね、遅れてるんですよね。来年GOがWaymoと組んで実証実験やるじゃないですか。やっぱり日本の地方のバスの廃線問題っていうのが非常に、うちの実家も食らってるので。
電車もバスもどんどん廃線になってますからね。
やっぱりああいうWaymoみたいなものが日本の田舎にはぜひ来てほしいなっていうのがあるので。
高齢化社会になってしまって、スーパーに行けないとかお金もおろしに行けないとか。
病院に行けないとか。
そこを解決できるような自動運転が入ってくるといいんですけどね。
その辺の話をXですると、やれ規制があって無理なんだとかって、ツッコんでくる人いっぱいいるんですよ。
そこがアメリカ中国とは違ってて、日本だといろんな規制があったりもするので、それによってAIの進化がストップかけられてるというか。いろんな新しいサービスがなかなか進まないっていう状況を、生んでいるのかなと思いますね。
日本は国の規制もありますし、業界団体が定めているもの、そこから逸脱をするというのはなかなか難しいところもありますし、もちろんそれで雇用が守られている方もいたりするので、難しい問題ではありますけど。
ただこのAIが非常に速いスピードで進化しているというか、急速に浸透しているアメリカだったりとか中国と、日本が10年後もしかしたらどっちが良くなっているのかなというのはどうですか?進化スピードが早い方がいいのかゆっくりな方がいいのか。
日本はいいモデルケースだと思うんですね。人口減少だったり地方の衰退とかっていうのに対して、AI待ったなしみたいなところがあるので、そこでオペレーションとしては日本がうまいことやるんじゃないかっていうのがあって。
ただ技術としては海外のものを持ってこざるを得ないのが今の状況なので、そこが先程言った規制のせいでというところもあると思うので、そこが本来だったらやっぱり地方の問題を解決するために先行してどんどん技術開発をやってるっていう状況を作れていれば、今だったらもしかしたら世界で一番いい自動運転とかできてたかもしれないのにな、っていうのは残念ではあるかなと思います。
日本のロボット産業と通信キャリア
石川さんはいかがですか?
日本ってロボットの企業ってすごいいっぱいあるんですよ。工業用ロボットとかフィジカルAI組み合わせると最強のものができるよねっていうのが見えている。例えばNVIDIAとかクアルコムは、そういった日本のロボティクス企業に近づこうとしている。
ただその日本のロボティクス企業は、表向き手を組んでいる感じもするんだけど、とはいえそのロボティクス産業の肝となるような技術とかっていうのはなかなか外には出そうとしていないんだろうなってところがあるので、そこがどうなっていくか。多分アメリカの半導体屋さんと日本のロボット企業をつなぐ会社なりが日本で必要なんだろうなと思っていて。
そこが頑張ると結構アメリカのいいところと日本のいいところを組み合わせて、日本でのAIっていうのが盛り上がっていくんじゃないのかな、と思いますね。
なるほど、情報流出も避けたい一方で、これからの日本のためにも提携をうまくしていきたいということですよね。
そういった規制を壊していくのも、やっぱりアメリカ企業が壊せっていうのだと、難しいじゃないですか。
けど日本の企業から「この規制が邪魔だから何とかしてくれ」ってお願いすればそれは政府も聞くようになったりもするので、その辺の橋渡し的な仲介屋さんがいるといいんじゃないのかな。
それが多分携帯電話キャリアだと、非常にうまく回るんじゃないのかなと思います。
石川さんの予想としてはそういうキャリアが橋渡し役になると。
ドコモだろうとKDDIでもソフトバンクでも楽天でもいいんですけど。そういったグローバル企業のサービスを日本に持ってくるのはうまいので、キャリアとかね。
あと顧客接点持っているというところもあったりもするので、日本でAIが活性化すると、AIでいろんなフィジカルAIを動かしていくとなると、キャリアが頑張ってくれると非常にいいなと思います。
最終的にそこにキャリアが必要という話で、非常にちょっと違った視点でした。
エンディング
Mobile Tech Lab、そろそろお別れの時間となりました。石川さん北さん今日の放送いかがでしたか?
実は今までやってきたテーマの中でも、この半年1年ぐらいでだいぶ話が変わってるものがいっぱいあって。
6Gがあんまり決まってないって言ってたやつは、実はこの9月でめっちゃ動いてたりとかっていうのがあって。その中にもやっぱりAIが登場してきたってのもあるので、今日みたいな話の延長でぜひ過去に取り上げたテーマが今どうなってるかみたいなのもやれるといいかなと。
その時に予測できなかったこんな進化がありますよというお話。
お話ししたいですね。
石川さんいかがでしたか?
携帯電話の基地局にAIを載せていくというのをソフトバンクがAI-RANとかやってたりもしますし、他のキャリアも取り組みつつあったりもするので、結構この辺は面白いのかなと。
AIを動かすにはネットワークが必要だし、そこでキャリアのネットワークが重要になってくるので、この辺6Gにつながる話なので、今後の展開も面白いんじゃないのかなと思いますね。
モバイルからAIを考えるみたいな回もぜひやれたらと思います。それではまた来週もこの時間にお会いしましょう、お相手はパーソナリティの弓月ひろみと。
スマホケータイジャーナリストの石川温と。
INNOMOの北真也でした。
それではまた来週。
