輻輳とは
輻輳(ふくそう)は、通信や処理の要求が特定の回線・基地局・交換機・サーバーなどへ集中し、設備が本来の性能を発揮できなくなる状態です。携帯電話では、通話がつながりにくい、通信速度が下がる、データの到着が遅れるといった形で現れます。
「輻」には車のスポークが中心へ集まるという意味があり、多くのものが一か所へ集中する様子を表します。一般には「混雑」と言い換えられますが、通信分野では設備の処理能力や品質目標を満たせない状態を詳しく表すために使われます。
どのようなときに起きるのか
災害発生直後に安否確認の通話が集中したときや、駅・イベント会場へ多くの利用者が集まったときに発生しやすくなります。動画視聴や大容量ファイルの送受信が同じ時間帯へ重なる場合も、基地局やその先の回線へ負荷がかかります。
無線区間に余裕があっても、基地局からコアネットワークへつながる回線や交換機の処理能力が不足すれば輻輳は起こります。反対に、回線全体に余裕があっても、特定の基地局だけに利用者が集中することがあります。
通信規制との関係
設備の能力を超える要求をそのまま受け付けると、システム全体が停止するおそれがあります。そのため通信事業者は、一般の通話や接続要求を一時的に制御し、警察・消防への緊急通報や防災機関の重要通信を優先する場合があります。
画面にアンテナ表示があってもつながりにくいときは、電波が届いていないのではなく、輻輳や通信規制が原因のこともあります。
輻輳を減らす方法
基地局や回線の容量を増やすほか、利用者を複数の周波数・基地局へ分散させる、処理の優先順位を設ける、混雑状況に応じて経路を切り替えるといった対策があります。イベント会場では移動基地局車や臨時設備を追加することもあります。
