ダークファイバーとは?光伝送について北真也さんが解説します|モバテク vol.073

石川温・弓月ひろみ・北真也がお届けする「モバテク」。2026年8月23日に放送された第73回のアーカイブです。

北真也さんによるマニアック解説回。今回はダークファイバー光伝送について語っていただきました。

オープニング

こんばんは、番組パーソナリティの弓月ひろみです。Mobile Tech Lab。この番組は最新のモバイルテクノロジーを学びながら、これからの生活をちょっと豊かにできたらという番組です。みなさんもこんな未来になったらいいなを一緒に考えていきましょう。

そして今夜も私と一緒に番組を進めてくださるのはこのお二人です。

こんばんは、スマホケータイジャーナリストの石川温です。

こんばんは、INNOMO代表の北真也です。

お二人とも今夜もよろしくお願いします。日本の夏、とても暑くなってしまっていつ夏が終わるんだろうとは思うんですけれども、涼しくなったらしたいこと、北さんなんですか?

毎回言ってますがキャンプにね。

通年通して。ゴールデンウィークもそう言ってましたし、夏もそう言ってたんで。

キャンプに行きたい。

いろんな季節のキャンプが。

秋が一番快適で美味しいんです。

秋のキャンプ、おすすめはどんな?

もうそろそろ外でバーベキューしても快適なんで、ほどほどのところでキノコとか焼いて食う。

サンマ焼きたいですね。

サンマもいいんですよ。あんなん家で焼いたら大変なことになるんで。

焼き芋とかね、美味しそうです。石川さんは?

散歩したいですね。散歩は日課にしてるんですけど、さすがにこの夏の季節は厳しいので、やっぱり朝1時間散歩をまたしたいなっていう感じですね。

私も全く石川さんと一緒で、朝のウォーキングとか、もう深夜に歩かないと、4時とかでも暑いみたいな感じになるじゃないですか。歩くタイミングが全くないので、涼しくなったらお散歩したいですね。

リスナーからのメッセージ

さてメッセージご紹介しましょう。弓月さん石川さん北さんこんばんは。毎週リアタイしています。先日モバテク公式サイトに用語集のページが作成されましたね。早速用語の追加リクエストしてよろしいでしょうか?

先日山根博士をゲストに迎えてネットワークの話を繰り広げた北さんが、冒頭でちらっと単語を出していた「ダークファイバー」について。以前から聞いたことはあるものの意味はちゃんと分かっていないため、番組の中で改めて解説して頂けますと幸いです。

ということで今日のテーマを北さんお願いします。

はい、今日は、マニアック回ということで、モバイルネットワークの中でもいわゆる「光伝送」っていう世界について。絶対、地上波で初ちゃうかなっていう。

光伝送について

光伝送がそもそもちょっと何なのかということですが、マニアック解説ということで。では光伝送とは何でしょうか?

まずダークファイバー。ダークファイバーっていうのは簡単に言うと、光ファイバーのことなんですね。で、光ファイバーっていうのは今の日本中を、いろんなネットワークというものが構成されてる中の、基本的に全部光ファイバーで繋がれてると思っていただきたいです。

通信とかネットワークとかが光ファイバー。

インターネットもそうだし、光電話みたいなもの。今までNTTとかでやっていたメタル、つまり銅線の電話じゃない限りは、基本的には全部光ファイバーでネットワークが作られてます。

光ファイバーっていうのは、ファイバーだから繊維っていうことなんですか?

繊維ですね。中に光を通して通信をするものなんですよ。銅線に電流を流して通信をしてたのが今までのメタルの通信。同軸ケーブルとかの通信だったんですけど、光になるともっと速くて。

あとは減衰っていって光が弱くなっていくという事象はあるんですけど、その減衰率も少なくとも銅線の減衰率に比べれば断然減衰しないっていうので、通信の効率が非常にいいのが光ファイバーですね。

で、光ファイバーケーブルで繋がっているということですか?

そうですね、ファイバーケーブルで繋がっているのが、光の伝送網と呼ばれているやつ。

みなさんここまで分かりましたか?

ダークファイバーはどういうもの?

で、ダークファイバーっていうのは、その光伝送のケーブルの中で、使われていない。つまりファイバーの中に光を通してないから、暗いファイバーなんでダークファイバーなんですよ。

そのダークファイバーは何のために存在してるんですか?

まず、一番世の中で何に時間がかかるかっていうと、工事なんです、物理的な工事。ファイバーを敷設するっていうのに一番時間がかかるんです。

ダークファイバーを引っ張ってることよりも、ダークファイバーの通り道をちゃんと作ってるっていうのが、まず重要なんですよね。

で、ファイバー自体は増やそうと思えば、何本か追加していくっていうのを、例えば10km離れた…、局舎ってのがあるんですけど、その局舎と局舎をつなぐために一回そういう坑道みたいなのを掘っておけば、その中にファイバーを1本2本追加するっていうのは、そんなに難しくはない。

例えばじゃ地下に穴を掘って空洞があって、そこに光を通すためにファイバーを引き詰めていく。

一番厄介なのは、地下に穴を掘ってないことにはそもそもファイバーを増やすってこともできないので。その次に大変なのは、とはいえ一回作ったそのファイバーの通り道にファイバーを通すっていうのも大変なんですね。地中に埋まってれば地中から掘り返さないといけないとか、電線だったら電柱を這わせないといけないとか。

そんなに簡単に出し入れできないと。

なので、一番最初に国の政策としてやったのが、とにかく日本中を、まず一旦光ファイバーを引きまくると。光ファイバーを作るための道を作りまくっておいて、いつ使われるか分からないけど光ファイバーを引こう、っていうのをやったっていうのがあるんです。この国の政策で。

これは大体何年頃ですか?

バブルの頃からかな?でも1990年代の話。

光通信とか光とかっていうのが…。

まだ全然来てなかった頃に。これからは光が来るからって言ってやり始めたものです。

局舎の話

国の政策として、全ての通信をスピーディーにするためにインフラを作っていったんですね。

インターネットが90年代の中頃くらいから出てきたじゃないですか。あの時にこれからはインターネットだってなって。とにかくまずは基幹網って呼ばれる、NTTの局舎ビルっていうのが…。

局舎ビルとは?

簡単に言うと…。もう一つグループセンターっていうのがあって、GC局っていうのがあるんですけど。

ちょっと待ってくださいね、一個ずついきましょう。

GC局が何かっていうと、「群局」って書くんですよグループセンターって。

群局、「群れ」ですか?

つまりNTTの局っていうのが日本中にいっぱいあります。で、GC局っていうんですけど、昔だったら電話局。その電話局にいろんな機械が置かれていて、そこから各ご家庭に線を引っ張っていると。

ご家庭に下ろしていた。

そうすると、まず電話をやるための交換機っていうのがどこかに置かれてないといけません。その置かれている交換機から、ご家庭まで線を引っ張らないといけないですと。

その時に例えば、県に一つ交換機を置きましたっていう時に、その県に1個だけ置かれている交換機からご家庭までまっすぐ線は引けないので、各市区町村単位くらいに枝葉が分かれていくための幹を作っていかないといけなかったんで、例えば県に1個中心になるビルがあって、そこに繋がっていくような。

ハブとなるステーションみたいなところがいくつかある。

まさにそのステーションが、局舎の「局」です。

おおー、なるほど。

最後その局舎のビルというか、GC局と呼ばれるところから、各ご家庭に線が伸びていくっていう。

GC局がそのステーションのことですか?

ステーションです。GC局が大体、多分出して大丈夫な数字だとだと思うんですけど、4000局ぐらいはあるんじゃないかな。

それは日本全国に4000局。

市区町村に1個ぐらいのペースである、まあちっちゃい市区町村だと1個にまとめられたりするんですけど。

ちなみにそれは、誰が設置するものなんですか?権利というか。

昔、電電公社なので国の施策としてやっていて、日本全国にまず電話は日本のどこに居ても電話を使える状態にするっていうので、打たれましたと。で、そういう設備がある程度あった状態のところに、まずはメタルの銅線が引かれてたやつが、次に光ファイバーになっていって。

ダークファイバーについて

今度、当時はインターネットのために光のファイバーを引きました。ダークファイバーを作りました。そうするとモバイルが急に、うーんって立ち上がってきたわけですね。95年とかってそんなに携帯電話って普及してなかったんですよ。

そうですね。

でも2000年にはもうみんな使い始めてました。

みんなNだとかFだとか、なんの機種使ってるって話をしていました。

っていうのをやるようになった時ぐらいから、NTTのGC局っていうやつをハブにして、最初は割とメタルでまだ組んでたんですけど、ある時もう「光で全部やるぞ」ってなって。

で、それをNTTの局舎ビルの間を、すでにダークファイバーが引かれているので、このダークファイバーを使って基幹網は光で作りましょうっていう。

ちょっと戻っていいですか?ダークファイバーは最初に用意しておく必要がある。それは何かの時のためにということですか?

つまり一番最初のダークファイバーって、使われるかどうかよく分からなかったけど、これからはインターネットの時代だから、「そのうち使われるんだろう」って言って、ドーンと打っておいたんです。

予測して置かれてたもの。

で、今もそうなんですけど、ダークファイバーが最初になかったら、ここに線引っ張りたいってやった時に、まずダークファイバーから引き直さないといけないんですね。

でも要するに在庫としてのダークファイバーってのが用意されてるから、ここからここをつなぎたいっていう時に、このダークファイバーを使わせてもらおうってことができるようになる。

予備の。

そう、予備の使われてない回線みたいな。

回線がダークファイバー、で、それがあったからそれを…。

それを使って、例えば携帯電話だったら、基地局と呼ばれるところがありますと。基地局からいきなり交換機はいかないんですね。間にいくつか、いうたらいっぱいNTTとか自社のビルを通して光のケーブルでつないでいくんですよ。で、最終的に交換機という機械まで至る。

もうちょっとだけマニアックなことを言うと、ダークファイバーにも種類があって。

ダークファイバーにも種類がある。

加入者ダークっていうのが。

カニュウシャ?

加入者っていうのはつまり、自分んちのところまで伸びてきている。

サービスに加入している人のことですか?

そうですね、と思っていただいていいんですけど、もう少し言うと、基地局ぐらいまでですね。基地局の先に我々はいるので、加入者である我々が使うためのアクセス網とかモバイルフロントホールと言ったりするんすけど、そういうダークファイバーが一個あります。

流通で例えて言うと、コンビニ的な。私たちがものを買いに行ける、コンビニエンスストアが近くにありますみたいなことですか。

こういうのも加入者ダークファイバーでつなぐところで、その後ろに中継ダークっていうのがあるんですよ。中継ダークっていうのはNTTのビル同士をつなぐとか、NTTじゃなくても自社のビル同士をつなぐための、一般の人たちはそこは使わないんだけど、コンビニのさっきの例えで物流網が必要じゃないですか。

トラックで取りに行くような物流の。倉庫があるような。

それが中継ダークファイバーっていうもので、さらに先に今度は県域同士を結ぶ、つまり日本全国の中心になってるようなそういう局舎があるんですけど、そこ同士をつなぐ太い回線でつないでいるところっていうのがあって、最後交換機っていうところに到達するっていう作り方を。

最終的には農家さんに行くみたいな。

メーカーの工場みたいなのがあって、そこから流通網を通して日本全国にばら撒いていくようなのがあって、だんだんだんだん太いファイバーから細いファイバーになっていく。で、それが在庫だったらダークファイバー、使われていれば使われている光ファイバーっていう感じです。

じゃあぱっと見ではわからないっていうことなんですか?

そうですね。外からわからないですけど、でもファイバーの状態としては、中に光が通ってるか通ってないかなんで。両サイドに機械があって、そこに機械が挿さってれば使われてるし、挿さってなかったら使われてないしってのは、一応目で見えるような。

蛇口がひねられてるかどうかみたいな。

蛇口が挿さってるかどうかみたいな。

大丈夫ですか?これみなさん着いてきてますか?大学の授業を聞いてるような感じになりますけれども、そもそも私たちのところに届くまでに、物理的に人がそうやってケーブルを通しているっていうことなんですよね。

光伝送装置

もう1個だけ良いですか?光伝送装置っていう。なぜ光伝送って言ったかっていうと、光を放つ人がいないとファイバーは使えないわけですね。

光を放つ。

光を放つ人と受ける人がいるんですよ。放つ人と受ける人が光伝送装置。その人たちで構成されるネットワークだから、光伝送とか光伝送のネットワークっていう言い方をする。

光は誰が放つんですか?

今だとWDMっていう、光波長多重装置っていうのがあるんですけど、これも簡単な言い方をすると、光の波長って解像度を上げれば上げるほどいくらでも波長を束ねられるっていう特性があるんですよ。

なのでより解像度高くその光を放ったりとか解析できる機械を使うと、1本のファイバーで伝送できる、送れるパケット量が爆発的に増えていくっていう。

32多重とか48多重とかって言って、多重度を上げていくと、最初は1多重だったやつが今48倍とか64倍とかっていうぐらいの通信量に1本の同じファイバーでなっていくっていう。

じゃあそれがあることによって、我々は動画を快適に見られるとか、サクサク見られるようになるためにその大元が何層にもなっているという。

それが例えば、昔1Gbpsだった光回線が10Gbpsになってとかっていうのができてるのは、光波長多重がファイバーを効率よく使うようになってくれたから、っていうのもあります。

モバイルネットワークも大元は光ファイバー

なんとなく追いつけてはいるんですけれども、もう一回レポートを書けって言われたらちょっとわからないかもしれません。

「そういうもので作られているんだなー」くらいで。モバイルって何かみんな電波だと思うじゃないですか。

思ってます。モバイルは電波。

基地局から一歩先は全部光ファイバーなんですよ。もちろん今だとStarlinkとかを使って、光ファイバーの代わりにやるっていうことはあるんですけども、でももう日本の津々浦々すべて光ファイバーで繋がれているので、光ファイバーのネットワークにプスッって挿せば電波が吹ける状態になってるっていうのが、日本の地理的な有利というか。

昔の国策で、日本全国にNTTのGC局ってやつを作ったおかげで、もうどこでも光ファイバーで基地局を打てるようになったっていう。

石川さん、日本ってすごいんですね。

日本もすごいし、NTTもすごいというところだと思います。だからKDDIもソフトバンクも楽天も、なんだかんだ言って全国に張り巡らされているNTTのネットワーク光の回線網を使って、お借りしてサービスを提供しているので。

なのでNTTが「光の回線料値上げしたるわ」とかっていうことになると、競合3社は困ってしまうので、そこはちゃんと。

法律が決まってます。

っていうところがあったりするんですね。

アメリカに行ったりすると、本当にこの弱いインターネットでみなさんどうやって動画見てるんだろう、みたいなところはすごく思ったりするので、日本のこのサクサクなインターネットは昔の国策に感謝なんですね。

みなさんこのダークファイバーそして光伝送について、こんなに熱く語っていただいて、ちょっと大学の授業みたいな気持ちで。

これ多分本当に地上波初だと思いますよね、こんなトピック。

あと私ももう一回ちょっとオンエアを聞き直して、もう一度勉強しようかなって。

ちょっと用語集見ようと思います。

激しく増えましたね。

マニアック回の初回が光伝送ってマニアックすぎる。

通信工学かなって感じでしたけども、みなさんぜひ聞いてどうだったかとか、もし分からないところがあればぜひコメントなどいただいて、そこも追っていけたらなと思っています。

エンディング

Mobile Tech Lab、そろそろお別れの時間となりました。石川さん北さん今日の放送いかがでしたか?ちょっと石川さんから。

自分もダークファイバーって普段たまに使ったりもするんですけど、ただここまで知った上で使ってはいなかったので、私個人的にも非常に北さんのお話を聞いて、勉強になったなと思っております。

北さんいかがでしたか?

まだまだ今日話せなかったことが実はいっぱいあって。光伝送についてもまだまだありますし、モバイルのネットワークももっと掘れる。これぐらい掘れるネタはいっぱいあるので、ぜひたまにマニアック回をやらせていただきたいなと思います。

でも北さんのお話聞いてると、私たちがいつも使っている電波には、やはり人がその先にいるんだとことを実感できるので、みなさんもいろいろサービスにああだこうだ言うだけじゃなくて、その思いに馳せていただければなと思います。

それではまた来週もこの時間にお会いしましょう、お相手はパーソナリティーの弓月ひろみと。

スマホケータイジャーナリストの石川温と。

INNOMOの北真也でした。

それではまた来週。

ラジオで流した楽曲

おやすみ / 松たか子

LOVE IS DEAD / B’z